大阪桐蔭、圧倒的強さで史上初2度目の春夏連覇! 金足農と東北勢の初Vの夢叶わず【全国高校野球】
2018/08/21
Kana Yamagishi
大阪桐蔭がついに猛打を発揮!金足農を突き離す
金足農の吉田のコントロールが定まらない内に攻め込みたい大阪桐蔭。失点のピンチをしのいだ4回の攻撃で、ついに試合を動かす。エラーと四球などで1死一、二塁のチャンスを作ると、1番の宮崎仁斗(3年)がレフトスタンドへ3ラン本塁打を放ち、6-1と大きく点差を広げることに成功した。さらに、5回には無死一塁から根尾が外角高めの速球をバックスリーンへ運ぶ2ラン。その後も3本のタイムリー安打で4点を追加し、この回一挙6得点を挙げて12-1と大阪桐蔭がその破壊力を遺憾なく発揮した。
5回まで投球数が132球に達した吉田の力投に何とか報いたい金足農だったが、徐々に調子を上げていく柿木に対して6回は3者凡退。そして、吉田はその裏の守備でライトのポジションに就き、この夏地方大会を通じて初めてチームメイトにマウンドを譲った。2番手の打川は、130キロ台後半の速球などを駆使して6番から始まる大阪桐蔭打線を無失点に抑え、試合は11点差で終盤に入った。
金足農は7回、1死から高橋佑輔(3年)が中前安打で出塁すると、続く菊地亮がライトを越える大きな飛球を放ち、これがタイムリー二塁打となって一塁走者の高橋が生還。2点目を返して、甲子園球場の大観衆からは大きな拍手が沸き起こった。そして、後続の打者以降はブラスバンドの応援曲に合わせて観客の手拍子が大きくなる異様な雰囲気が漂ったが、大阪桐蔭の柿木と野手陣がそのムードを打ち消すように安定した投球と守備を見せて失点を1点に留めた。
7回に1死二、三塁から内野ゴロの間に1点を追加した大阪桐蔭は、投げてはエース柿木が終盤に入っても崩れず、金足農打線に流れを渡さない。8回を4度目の3者凡退に打ち取ると、9回も無失点に抑えて112球で2試合連続となる完投。大阪桐蔭が13-2で勝利し、藤浪晋太郎投手(現・阪神)と森友哉(現・西武)のバッテリーを擁した2012年に続いて、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。
一方の金足農は、7回に執念の得点を挙げたが、終始猛攻を止められず。1915年の第1回大会で秋田中(現・秋田高)が成し遂げた準優勝に並んだが、秋田県勢初、そして東北勢初となる優勝は惜しくも叶わなかった。