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“本物の強さ”を持った大阪桐蔭 昨年の悔しさ胸に偉業達成。中川主将「周りに感謝」【全国高校野球】

2018/08/21

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Kana Yamagishi



<最終日 決勝 ○大阪桐蔭13―2金足農●>
 
 第100回全国高校野球選手権記念大会は21日、阪神甲子園球場で最終日を迎えた。決勝戦は、大阪桐蔭(北大阪)が金足農(秋田)を13-2で破り、史上初となる2度目の春夏連覇を果たした。
 
「2度目の春夏連覇」「東北勢初の優勝」、史上初の快挙を狙うチーム同士の戦いは、大阪桐蔭がその栄冠を勝ち取った。
 
 大阪桐蔭は、初回に石川瑞貴(3年)がタイムリー二塁打を放つなど3点を先制。投げては、前日に155球を投げ抜き完投した先発・柿木蓮(3年)が3回に犠飛で失点するも、その後は出塁を許した走者の生還を許さず、少ない球数で金足農打線を封じていった。
 
 対する金足農の先発・吉田輝星(3年)は、4回に宮崎仁斗(3年)に3ラン本塁打を浴びると、続く5回には根尾昂(3年)にバックスクリーンへの特大2ラン本塁打や3本のタイムリー安打を許して一挙6失点。5回132球を投げて12失点を喫した吉田は、6回のマウンドを打川和輝(3年)に譲って、この夏初めてライトのポジションに就いた。
 
 金足農は7回、1死一塁から菊地亮太(3年)がライトオーバーのタイムリー二塁打放ち2点目を返すも、反撃はここまで。甲子園球場の大観衆からは金足農を後押しするように大きな拍手が沸き起こる中、大阪桐蔭のエース・柿木が最後まで安定した投球を見せ、堅い守備陣も本来の力を発揮。
 
 柿木は9回にこの日5度目となる3者凡退に抑え、大阪桐蔭は13-2で大勝。藤浪晋太郎投手(現・阪神)と森友哉(現・西武)のバッテリーを擁した2012年に続いて、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。
 
 試合後、大阪桐蔭の西谷浩一監督は満員の大観衆の前で「全員の思いが込もった優勝」と笑顔を見せながら喜びのコメント。「昨年(3回戦で)悔しい負け方をして、そこから『必ず春夏連覇を達成する』と毎日毎日言い続けてきた。それが達成できて嬉しい」と昨年から積み重ねてきた思いを結実させたことに達成感を感じているようだった。
 
 また、「このチームは、キャプテンの中川と副キャプテンの根尾が作ってきたチーム。そして3年生が本当にやってくれたチーム。1年間の目標として『最高のチーム』を作ろう』『本物のチームを作ろう』『最強のチームになろう』と言ってきたが、今日『最強のチーム』になれた」と選手たちを称えている。そして最後に、「この新しい大優勝旗を手にしたので、もっともっとチームを強くして、これからもっと大阪桐蔭を大きくしていきたい」と早くも来年度へ向けた意気込みを語った。
 
 一方、主将としてチームをまとめ上げた中川卓也(3年)は「昨年自分のミスで悔しい負け方をして、そこから始まったチーム。春夏連覇という強い気持ちだけを持って1年間やってきたので、本当に嬉しく思う」と歓喜。「自分が作ったチームというより、周りのみんなが支えてくれて、自分をキャプテンとして受け入れてくれたおかげで、自分は今ここに立てている。本当に周りの選手に感謝したい」と途中、高まる気持ちから言葉に詰まりながら、チームメイトに感謝の気持ちを伝えた。
 
 そして、この日特大の本塁打を放つなど今大会で大活躍を見せた根尾は「(本塁打は)甘い球が来てくれたので、チームのために何とか1本打てて良かった」と冷静な表情でコメント。大阪桐蔭の強さを聞かれると、「やっぱりキャプテンがずっと毎日この春夏連覇を目標に厳しいことを言ってくれて、みんなが付いていった結果が春夏連覇に繋がった」と涙ぐむ中川の横で胸を張った。周りの支えがあってここまで来れたと言う中川と、中川がいたから連覇ができたと言う根尾。部員63人全員の力で掴み取った偉業ということが分かる2人の重く強く温かい言葉だった。



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