豪州プロ野球が驚きの台湾リーグ参戦。その理由に隠された両者の思惑とは?
オーストラリアのプロ野球リーグ(ABL)が5日、2019年より台湾プロ野球(CPBL)に参入することが決まった。両リーグの合意の裏には、一体どのような思惑が隠されているのだろうか。
2018/09/07
鄭仲嵐
台湾プロ野球の呉志揚会長(右)と豪州プロ野球のヴェィルCEO。【撮影:鄭仲嵐】
豪州と台湾が電撃的な合意
オーストラリアのプロ野球リーグ(ABL)は5日、台湾・台北市内で記者会見を開き、来年から台湾プロ野球(CPBL)に参入することを決めた。会見で提出した草案によると、まずは2年間の契約で、チームの7割はオーストラリア選手。2年間は2軍で活動し、成果次第で2021年には正式に1軍に上がることも可能だという。本拠地は、今後決定する見通しだ。
出席した台湾プロ野球の呉志揚・会長は、「私たちはいま新しい球団がないという課題に直面している。豪州からの提案はしっかり各常務理事と話し、一緒に考える」と歓迎の様子。さらに「豪州との連携は長く、お互いに信頼できる味方」と、来年CPBL設立30周年に合わせて、2軍で豪州のチームを見ることを望んでいる。
ABLのカム・ヴェイル(Cam Vale)最高経営責任者(CEO)は、「過去の20カ月、我々は継続して台湾側と積極的に連絡し、今日の結果は本当にワクワクした。これからもたくさんのことを話していきたい。もちろん良い本拠地も真剣に考える」と語る。
世界野球連盟のランキングを見れば、現在日本は2位、台湾は6位、そして豪州は8位。順位に大きく差があるわけではないが、実際には人気・実力ともに大きな差がある。とはいえ、豪州もこの10年で急速に力をつけ、2010年にプロ野球を再び設立。米・メジャーリーグの人気に後を押される形で、国内でも徐々に関心が高まっている。