プロの競争に勝ち残れるか。人生の岐路で選手たちが下すべき選択とは? 金足農・吉田は感覚次第【小宮山悟の眼】
プロ野球ドラフト会議が約1カ月後に控えている中、高校や大学で活躍する選手たちが人生の岐路に立ち、今まさにその判断を下そうとしている。プロの眼から見た進路における重要性は何なのだろうか。
2018/09/19
プロは選手の替えがきく。抜きん出たものはあるか?平均的に優れているか?
高卒でプロに行くべきか、大学や社会人に行くべきかという判断は簡単ではない。だが、私はある一点で抜きん出たものがあるか、またはあらゆる要素が平均的に優れている選手かどうかで変わってくると思う。
誰が見ても抜きん出たものがあるというのは魅力的で、スカウトも黙ってはいない。
一方、すべての要素で平均的なレベルを備えている選手というのは欠点がないため使い勝手は良い。しかし、このタイプの選手は毎年のようにいるため、いつでも獲得できるとも言える。
悪い言い方をすると、プロは選手を使い捨てするところがある。イマイチ伸びが悪いなと思うと、平均的な選手はまた取ればいいとなってしまうのだ。つまり、替えがきくということだ。
そう考えると、抜きん出たものができあがるまでの期間として、大学や社会人に進むという選択肢もあってもいいのではないか。
本当に優れた選手は、高校から直接プロに入っても活躍していたと言えるだけのものを大学4年間で見せつけられると考える。
大学で伸びなかった選手に対して、高卒でプロ入りした方が良かったと指摘する人もいる。だが、そういう選手はプロでも伸びないと思う。大学で数字を出せない選手がプロでも芽がでるはずはないと思うからだ。プロで通用するなら、大学レベルでも普通にやりこなせるものだ。
大学や社会人に進んだことよって得られるのは、プロに入った時点である程度の水準の選手だと認めてもらえることだ。プロ入団後、レギュラーに近い位置でスタートを切れるのは大きい。