2015年も注目選手多し ドラフト候補、ルーキー……JABA大会で躍動した期待の星【横尾弘一の「プロにつながる社会人野球」】
雨に悩まされながらも、秋の日本選手権出場権をかけたJABA大会が各地で行われた。各地でルーキーが躍動。今後ドラフト候補にもあがりそうな、社会人野球期待の星たちをクローズアップする。
2015/04/23
宮野敦子
JABA長野県知事旗大会は信越硬式野球クラブがV
やはり2日延期された日立市長杯大会で頂点に立ったのは、リーグ戦2試合を少ないメンバーで連勝したNTT東日本。この大会ではルーキーの活躍が際立った。
立正大から入社した沼田優雅は、172cmと小柄ながら切れ味鋭いボールを左腕から繰り出し、先発に、リリーフにフル回転。準決勝で今秋のドラフト候補・横山弘樹が完投勝利を挙げると、決勝の先発を任されて日本通運を2安打で完封した。
また、四番に座った桐蔭横浜大出の喜納淳弥は、シャープなスイングで豪快な本塁打もマーク。明大出の福田周平は攻守に高いポテンシャルを示し、駒大出の下川知弥も勝負強い打撃を見せるなど、昨夏の都市対抗でベスト4入りしたチームに大きな刺激を与えた。
惜しくも準優勝だった日本通運でも、やはりドラフト候補に挙げられる井口拓皓は貫録の投球。低目への制球力は、さらに磨かれたという印象だ。
ここまでは、関東勢が優勝を独占しており、長野県知事旗大会でも東芝と明治安田生命が準決勝に駒を進める。ただ、他地区のチームも意地を見せ、NTT西日本は東芝にシャットアウト勝ち。また、地元の声援を受け、リーグでは昨夏の都市対抗覇者・西濃運輸を1-0で倒した信越硬式野球クラブは、明治安田生命にサヨナラ勝ちで決勝に進出する。
そして、NTT西日本が優位という下馬評の中でも2-2と踏ん張り、延長11回からタイブレークに持ち込むと、一気に3点を奪ってNTT信越時代から17年ぶりに優勝を飾る。
その原動力となったのは、3年目の右腕・高橋雄輝だ。東海大時代は好投手がひしめく中で出場機会に恵まれなかったが、制球力を磨いて台頭。NTT西日本にも15安打を許しながら、タイブレークに入るまでは2点に抑えるなど、スタミナや粘り強さも備えた。最高殊勲選手賞をステップにして、どこまで飛躍するか注目したい。
JABA大会は、5月中旬まで各地で熱戦が展開される。来月も、各大会で飛び出した期待の星たちをクローズアップする。