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好素材揃う「大谷・藤浪世代」 闘志むき出しのヤンチャ系右腕・生田目翼

各リーグで活躍が目立ち、プロ球団スカウトからも熱視線が送られる大学3年生の好選手たち。「大谷・藤浪世代」とも言えるこの世代には、無名ながらもじっくりと力をつけてきた選手たちが多く存在する。

2015/05/04

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高木遊



野次も「受け入れる」

 高校時代からその潜在能力を高く評価されていた生田目。一方で、素行を問題視されていたことも事実だ。時には相手ベンチに向かって叫んでしまうようなこともあった。練習も決して熱心というわけではなかった。
 だが、大学入学後は中道守監督が地道に、熱心に粘り強く指導。
 生田目は「高校時代はほとんど走ってなかったのですが、ここでは監督さんに強制的にやらされて(笑)。でもそのおかげで今の自分があります」と感謝の言葉を口にする。

 さらに、昨秋は2引分を含む5回戦まで突入しながらも勝ち点を奪えなかった打倒・創価大を誓い、このオフに猛練習を敢行。

「以前は、“練習をやれ”としつこく言ってきましたが、この冬から本当によく頑張るようになりました。今はもう何も言っていません」と中道監督は、生田目の変化に目を細める。

「気合いが入りすぎて、それが悪い方向に出てしまうことはまだまだある」というのは、監督・コーチ、そして生田目自身が認めているが、この日は相手の痛烈な野次にも冷静に対応。
 中道監督は「今日は野次に反発するでもなく、流すのでもなく、(それがエースなんだというように)しっかり受け止めて、力にしていましたね。この試合だけでも、野球を通じて人間としても大きく成長してくれています」と労った。

 同期には大谷翔平(日本ハム)や藤浪晋太郎(阪神)といった怪物たちがいる。彼らに関する質問を最後にぶつけると、「刺激になっていますが、勝ってやろうとかはないです」と、らしくない謙虚さを見せた。

 だが、本気になった生田目が一段ずつ、投手として、そして人間として成長していく「その先」を期待せずにはいられない。そんな予感が彼の投球には確かにあった。

生田目翼(流通経済大)のコピー
【写真】勝利の瞬間は「吠えるのは子どもっぽいかなと思って(笑)」と控えめにガッツポーズ。[対創価大3回戦]
◆生田目翼(なばため・つばさ) 茨城県日立大宮市出身。水戸工―流通経済大3年。最速150キロを誇る力強いストレートが武器。174cm・76kg。右投右打。

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