「3番手投手」が46年ぶり偉業達成! 東海大・丸山泰資がリーグ史上2人目の完全試合
首都大学リーグで快挙だ。首都大学リーグ第4週2回戦 日本体育大対東海大戦で、東海大の丸山泰資が史上2人目、実に46年ぶりの完全試合を達成した。快挙の裏には決して順風満帆な野球人生ではなかったからこそ掴んだ「伝家の宝刀」があった。
2015/05/03
高木遊
高校時代に習得した「伝家の宝刀」が快挙を支えた
丸山がこの日投じたボールのほとんどがストレートとスライダー、この2種類の球種のみだ。「カーブやフォークも持っていますが、それぞれ2、3球しか投げていません」と丸山も話すように、それだけ決め球のスライダーに自信を持っている。
このスライダーを習得したのは、愛知・東邦高時代。愛知県屈指の強豪校ではあるが、決して期待の高い新入生ではなかった。中学時代(愛知知多ボーイズ)は外野手で、「学校の部活でやっていたテニスのほうがセンスあるかな?と思っていたぐらいです」と丸山は笑う。球速もわずか120キロほど。それでいてコントロールも悪かった。
そんな状況を変えるため高校1年時にサイドスローへ転向。そこで習得したのが、現在の丸山を支えるスライダーだった。高校2年時にはオーバースローに戻したが、その時掴んだスライダーの感触を忘れることはなく、「困ったらスライダーというぐらいの自信は高校時代から持っています」と話す。
昨年春には、全日本大学野球選手権準々決勝・大阪体育大戦で公式戦初先発に抜擢。だが、2回3失点でノックアウト。チームはなんとか逆転勝ちし、その後日本一を掴んだものの、丸山には悔しさだけが残った。その後は選手層の厚い東海大投手陣の中で、腐らずひたすら次の出番を待ち、今回の偉業に繋げた。
インタビューの最後に「同期の石井(捕手)らバックに支えられました」と殊勝に話した丸山。大きな自信を掴んだに違いない「3番手投手」の男は今後、東海大の連続日本一に欠かせない存在となりそうだ。
◆丸山泰資(まるやま・たいすけ)群馬県出身。愛知・東邦高―東海大3年。176cm75kg、右投右打。
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