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やらされていることは長続きしない。吉井理人氏が語る「考えて行動する習慣」へのアプローチ

選手としてもコーチとしても、実績を積み重ねた吉井理人氏(千葉ロッテマリーンズ1軍投手コーチ)が、コーチングを学ぶために筑波大の大学院に入学したのが2014年春のこと。ここでの経験が、自身のコーチングを見つめ直す大きなきっかけとなった。『新しい少年野球の教科書 科学的コーチングで身につく野球技術』(川村卓著)から一部抜粋で公開!(後編)

2019/07/18

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「失敗=成長の材料」

――プロの世界でも同じでしょうか。
 
 もちろんです。高校時代にやらされていることに慣れてしまっている選手は、「自分で考えてやっていい」という環境に入ると、何をしていいかわからないこともあります。
 
――そう考えると、学生時代の学びはその後の人生に大きな影響を及ぼすわけですね。
 
 自分で考えて、自分で決めて、自分で行動する。そのほうが「おれはできるぞ!」と思いますよね。心理学の言葉では「自己効力感」。コーチの立場としては、問いかけることで選手の考えや気づきを引き出していきたいですね。
 
――逆に、コーチとしてどんなときに選手を叱るのですか。
 
 あんまりないですけど、本気を出していないときです。手を抜いている。それでも「ちょっと言っておこうかな」と思うぐらいです。技術的な失敗に怒ることはありません。「失敗=成長の材料」なので、成長するチャンスだととらえています。
 
吉井理人(よしい・まさと)
1965年4月20日生まれ。和歌山県出身、県立箕島高等学校卒業。1983年ドラフト2位指名で近鉄バファローズへ入団。1995年、ヤクルトスワローズへ移籍、1997年、MLBニューヨーク・メッツへFA移籍。その後コロラド・ロッキーズ、モントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)で活躍。2003年、オリックスブルーウェーブで日本復帰。2007年、千葉ロッテマリーンズで現役引退後、北海道日本ハムファイターズ、福岡ソフトバンクホークスでコーチを務め、2019年シーズンから千葉ロッテマリーンズ投手コーチに就任。
 
<書籍概要>
『新しい少年野球の教科書 科学的コーチングで身につく野球技術』
定価:本体1700円+税 川村卓著(筑波大学准教授)
 

 
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