元甲子園球児がドミニカで指導者の道へ。アカデミーでは「ポテンシャルを伸ばすことを重要視」【ドミニカ野球奮闘記#4】
2019/07/31
高橋康光
プレーでは怒らず、人間性の教育は重視
そこではどのような指導が行われているのだろうか。
「日本とどちらがいいというのかは別として、色々と違う部分はあります。まず、指導者は技術的なところへの細かい部分にアプローチするよりも、思い切り振る、思い切り飛ばすという、個々のポテンシャルを伸ばすことを重要視していると思います。
指導者たちにとって選手たちは商品でもあるので、酷使するようなことはありません。エラーをしても怒ることはありませんし、プレーの幅を狭めさせるようなことも言いません。ゲームでも勝利は重視されずに、個人個人が自分の長所を出すようにプレーしています。
また、プレーに関してはあまり口を挟みませんが、人としての心構えの部分には意外と細かく指導します。グラウンドにゴミが落ちていたりするのも嫌いますし、マイナーリーガーであったコーチのバックグラウンドも影響していると思いますが、プロになることを前提にした人間性の教育を重視しています。
アカデミー生にとっては、野球は部活ではなく、契約を勝ち取るための手段なので、僕もこちらのやり方をリスペクトしています。その上で個別にアドバイスを求められれば、細かい部分を指導することもあります。僕自身がある程度プレーで示すことができるということで、リスペクトしてもらえているのは大きいです」
藤田さん自身が日本で、高いレベルでプレーしていたことが、ドミニカでも活かされているようだ。