元甲子園球児がドミニカで指導者の道へ。アカデミーでは「ポテンシャルを伸ばすことを重要視」【ドミニカ野球奮闘記#4】
2019/07/31
高橋康光
「日本の選手をドミニカ経由でMLBに送り込んでみたい」
藤田さんは、日本の良い部分も指導できればと考えている。
「キャッチボールやペッパーなど、日本では基礎と重視される練習が、こちらではあまり重視されないので、こういう部分にアプローチできればと思います。先ほども言いましたが、ドミニカの指導者は細かいことは言わずに個々の思うようにプレーさせます。なので、基礎ができていない分、そこを埋めればもっと伸びるのにとは思っています。
逆に面白いなと思ったのは、こちらではソフトボールを使った練習をします。自分でも遠投などをしてみましたが、なかなか難しいですし、肩肘の張る部分も違いますし、こういう練習を小さいころからやっているのがドミニカ人の地肩の強さの秘密の一つなのかなと思います」
ドミニカに来た当初は通訳になるという目標だったが、アカデミーでの指導を通じて、その目標は変わりつつある。藤田さんは「野球をやる上で選択肢は色々あると思います。日本で野球をすることに窮屈さを感じている人がいるならドミニカもあるよと言いたいですね。今現在指導している子をMLBに送り出したいですし、いつか日本の選手をドミニカ経由でMLBに送り込んでみたいという夢もあります」と語る。
日本の良さ、ドミニカの良さを知る藤田さんが、今後どのような指導者となり、どのような選手を育ててくれるのか、非常に楽しみである。
高橋康光
藤田さんの活動の様子