初出場の誉は開幕戦! 東海大相模VS近江、花咲徳栄VS明石商…初戦の注目カード【全国高校野球】
第101回全国高野球選手権大会(6日開幕、阪神甲子園球場)の組み合わせ抽選が3日行われ、開幕を待つだけとなった令和最初の夏の甲子園。今年は灼熱のグラウンドでどんなドラマが起こるだろうか。初戦の組み合わせで特に注目されるであろう4カードを見てみよう。
2019/08/04
6日目第2試合 東海大相模(神奈川)-近江(滋賀)
星稜と並ぶ優勝候補に数えられるのが東海大相模。激戦区・神奈川を4年ぶりに制した2015年の覇者は、決勝の日大藤沢戦で24得点をマークするなど神奈川大会の7試合で計73得点と破壊力が持ち味だ。計11本塁打と一発の能力もありながら、10得点の2回戦の相模原中等教戦、11得点の3回戦の茅ヶ崎戦、そして6得点の湘南戦はいずれも本塁打0。繋がりのある攻撃で近江の投手陣を打ち崩したい。
対する近江は、昨夏に準優勝した金足農(秋田)との準々決勝で逆転2ランスクイズでサヨナラ負け。今大会に懸ける悔しさの大きさは優勝を見据えたものになっているだろう。その悔しさを2年生として味わったエース林は、この滋賀大会で準決勝の綾羽戦と決勝の光泉戦で完封するなど計5試合中4試合に登板してチームを甲子園へ導いた。ビッグイニングを作る打力もあるが、滋賀大会決勝戦で見せた1-0のような接戦を勝ち抜く守備力も兼ね備えている。
6日目第4試合 花咲徳栄(埼玉)-明石商(兵庫)
2017年に埼玉県勢初となる優勝を飾った花咲徳栄は、今春の選抜大会でベスト4に入った明石商と対戦する。
5年連続出場の花咲徳栄は昨夏に投打の中心選手だった野村が抜けたものの、投打にレベルが高い。埼玉大会では、決勝戦で春季関東大会ベスト4入りした新鋭校・山村学園を11-2で撃破するなど7戦計92得点と打線が爆発。しかし本塁打は5本にとどまり、それだけ切れ目ない打線の繋がりで得点を重ねてきた。投げてはエースの3回戦の正智深谷戦で9回を投げ切りノーヒット・ノーランを達成した中津原を中心に、高森、和田、岩崎、岡崎と多くの投手がマウンドを経験し層の厚さを証明した。
対するのは2年連続2回目の出場の明石商。春季大会こそ3回戦敗退と苦杯をなめたが、夏は戦力を仕上げて4強入りの選抜同様に県内随一の強さを発揮した。兵庫大会では7試合を戦い2桁得点は1度のみだが、決勝戦の神戸国際大付戦で9回に4得点するなど集中打で1イニング複数得点を取る能力が長けている。花咲徳栄と同じく、本塁打の少なさの一方で繋がりのある打線は一旦火が付くとなかなか止められない。投げては、選抜で大活躍した中森が中心だが、杉戸も完投能力があり層の厚さが感じられる。
この他にも、選抜大会準優勝の習志野(千葉)-沖縄尚学(沖縄)や筑陽学園(福岡)-作新学院(栃木)、45年ぶり出場の秋田中央(秋田)-37年ぶり出場の立命館宇治(京都)など注目の対戦は多い。大阪桐蔭や東邦などが地方大会で姿を消したものの、それだけ何が起こるか分からないのが夏の大会。甲子園でも同様に、熱戦の末にどこが令和最初の夏を制するのか大きな期待が高まる。