神村学園、2年生エース・田中瞬太朗が131球完投も「まだまだ」 初の夏2勝へ指揮官も成長期待【全国高校野球】
2019/08/06
「今年は“誰かのために頑張ろう”という気持ちでやっている」
<第1日 第2試合 1回戦 ○神村学園 7―2 佐賀北●>(6日、阪神甲子園球場)
第101回全国高校野球選手権大会が開幕し、第2試合では神村学園(鹿児島)が佐賀北(佐賀)を7-2で下し、2回戦進出を決めた。
「九州対決」、さらに2007年の覇者・佐賀北との対戦となった神村学園は初回、佐賀北の先発・川崎大輝(3年)に対して無死一、二塁のチャンスを作ると、ここで古川朋樹(2年)の送りバントを相手守備がエラーを犯し1点を先制する。なおも満塁で田中大陸(2年)のセーフティースクイズなどで2点を挙げ、初回一挙3点を挙げた。
神村学園は続く2回にも桑原秀侍(2年)と田中大の2者連続となる適時二塁打で2点を追加。佐賀北の守備が浮足立つ中で序盤から5-0と大きなリードを持って試合を優位に進める。
投げては、先発の田中瞬太朗(2年)が5回に犠飛、6回に江藤謙伸(2年)の適時二塁打で2-5と3点差に詰め寄られるも、いずれのイニングも流れを渡さずリードを守った。
試合はそのまま終盤に入り、神村学園は7回に1死一塁から桑原秀侍(2年)が右翼前へ放った打球を、佐賀北の右翼手・江藤が痛恨の後逸。一塁走者とともに打った桑原も一気に生還して2点を追加して7-2とした。
先発・田中瞬は、7回以降は3イニング連続3者凡退の好投で佐賀北打線を封じ込めて131球を完投。神村学園は投打に佐賀北を上回って7-2で快勝し、2回戦進出を決めた。
試合後、神村学園の小田大介監督は「今年のチームは“誰かのために頑張ろう”という気持ちでやっているので、そういった思いも込めて校歌を歌えて良かった」と、体調を崩しているという学園長先生に勝利を届けられたことを嬉しそうに話した。
効果的な得点の一方で、無失策の堅い守備も光ったが「良く守ってくれた」と好感触。そして完投した田中瞬に対しては「今日は田中でいくとハナから決めていた。勝ちに繋げてくれたので合格点だと思う。彼に期待しているのは粘り強さ。1試合でも多く甲子園のマウンドで色んなものを経験して、来年また大きく成長してもらいたい」と3年生になる来年を見据えながら今大会でのさらなる成長を期待した。
またその田中瞬は「蒸し暑くて少し疲れてしまったが最後まで(体力が)持った。走り込んだ甲斐があった」とコメント。「少し四球が出てしまってまだまだダメ。チームとしてはしばらく2勝できていないので、大会2勝を挙げたい。そのためにリズムの良い投球で守備から攻撃に繋がるようにしたい」と、チーム初の夏2勝を目指し次戦への好投を誓っていた。
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部