星稜・奥川恭伸、ギアを入れたのは初回だけ。目指すは夏を投げ抜く「レベルの高い省エネピッチング」
星稜の奥川恭伸投手が、甲子園2日目第3試合の旭川大戦に登板。9回3安打完封と圧巻のピッチングを見せたが、ギアを入れたのは初回のみ。高いレベルの“省エネ投球”を取り入れ、さらに「勝てる投手」としての精度を高めた。
2019/08/08
上位進出のための“省エネピッチング”
「まだ」なのか。
今大会ナンバーワン注目投手の星稜・奥川恭伸が1回戦の旭川大戦に登場。9回を投げ、3安打9奪三振の完封勝利で2回戦進出を決めた。
ストレートの最速が153キロを計測するなど支配的なピッチングを見せたが、「まだまだ状態が上がってくると思います」と奥川が言ったのだから、今後への楽しみも増えたというものだ。
改めて奥川のポテンシャルを見た完封ショーだった。
1回裏、マウンドに上がった奥川は旭川大の1番・佐藤に対し、カウント2ボール1ストライクからストレートを連投。150キロのストレートに続いて、153キロを叩き出しての空振り三振。これには度肝を抜かれた。さらに2番の持丸は3球三振。3番の菅原に対しては4球全てキレのあるスライダーを投げ込んで3者連続三振を完成させたのだった。
しかし、これだけだった。彼が本気で力を入れたのは。
奥川は言う。
「立ち上がりは大事なので、初回は絶対に3人で抑えようと思った。初回のピッチングは今日の9イニングの中では一番よかったと思います」
この夏の上位進出を目論む奥川は、新たなスタイルにチャレンジをしている。少しでも長いイニングを投げるための“省エネピッチング”だ。