星稜・奥川恭伸、ギアを入れたのは初回だけ。目指すは夏を投げ抜く「レベルの高い省エネピッチング」
星稜の奥川恭伸投手が、甲子園2日目第3試合の旭川大戦に登板。9回3安打完封と圧巻のピッチングを見せたが、ギアを入れたのは初回のみ。高いレベルの“省エネ投球”を取り入れ、さらに「勝てる投手」としての精度を高めた。
2019/08/08
アドレナリンが出たのは1回だけ
2回以降、奥川のピッチングからは熱いものを感じなかった。
それは決して悪いことをイメージしているのではないが、あまりにも淡々と投げていたから、力を入れるような場面と感じているようにも思えなかったのだ。1−0という僅差の中で、少しはギアチェンジをしてもいいはずなのだが、それが見られなかった。
「初回はアドレナリンが出たり色々あって、いつも以上の力が出た。2回からはいつもの自分に戻ったということなんだと思います」
いわば、アドレナリンが出たのは1回だけだったということなのか。
彼自身が「まだ」と口にするのも、まだ燃えたぎるものが眠っているからなのかもしれない。
2回戦は奥川と同じく1回戦で完封勝利を挙げた立命館宇治の左腕・高木要との対戦になる。戦いの舞台が上がればまた、奥川の気持ちも違うものに変わっていくだろう
「まだまだ」―――。
奥川の真の力はもっと先にある。
氏原英明