熊本工、延長12回に山口環生が劇的サヨナラ弾! 山梨学院はエース相沢利俊が140球熱投も力尽く【全国高校野球】
2019/08/10
熊本工2番手・村上は7回無失点の好救援
<第5日 第2試合 1回戦 ○熊本工 3×―2 山梨学院●>(10日、阪神甲子園球場)
第101回全国高校野球選手権大会は10日に5日目を迎え、1回戦最後の試合となった第2試合では山梨学院(山梨)と熊本工(熊本)が対戦。熊本工が延長12回の末に劇的なサヨナラ本塁打で初戦突破を果たした。
先手を取ったのは4年連続出場の山梨学院だった。熊本工の先発・蓑茂然(3年)に対して1死から連続安打で一、三塁とすると、4番・菅野秀斗(3年)の二ゴロの間に先制。さらに相手捕手の悪送球で1点を追加し2-0とした。
対する6年ぶり出場の熊本工も、初回から2イニング連続で走者を出すものの、山梨学院の先発・相沢利俊(3年)の巧みな牽制によってアウト。自らのちぐはぐな攻撃でなかなか流れが作れない。
しかし4回、それまで鳴りを潜めていた熊本工打線が意地を見せる。2死一塁から5番・森翔太郎(2年)が左越え適時二塁打を放ち1点を返すと、青山典勢(3年)も左翼線へ適時打二塁打で続き2-2の同点に追い付いた。
山梨学院が5回に2死一、二塁を無得点で終えたのに対し、熊本工も直後の攻撃で1死から死球と野選で一、二塁の好機を作る。しかし、相沢が吉山綸太郎(3年)を投ゴロ併殺に打ち取ってこちらも無得点。両チームともにピンチをしのぎ合った。
熊本工は6回から登板した2番手・村上仁将(2年)が2イニング連続で無失点。一方の山梨学院も先発の相沢が粘投。再三走者を得点圏に送られながらも決定打を許さず、7回はこの試合初めて3者凡退に打ち取った。
山梨学院は8回、四球と2本の安打などで2死満塁と絶好のチャンスを迎えるも、青山が中飛に打ち取られて無得点。ピンチを抑え勢いを付けたい熊本工だったが、治療を経て続投した相沢に対してこちらも無得点に終わり、試合は9回を経て今大会3試合目の延長戦となった。
延長11回、山梨学院は6回からリリーフし6イニング目に入った熊本工・村上に対し、2死二塁のチャンスを作るも、この試合3安打を放っていた5番・野村健太(3年)が三ゴロに打ち取られて無得点。
一方、熊本工は、130球を超えた先発・相沢に対して1死から7番・山口環生が初球の速球を捉えると、打球は中堅バックスクリーンへの劇的なサヨナラ本塁打に。熊本工が壮絶な投手戦を3-2で今大会初となるサヨナラ勝ちを収め、夏の甲子園30勝目を飾った。山梨学院は相沢が140球の熱投も最後は力尽きた。