作新学院、投手戦制し16年V以来3年ぶり夏1勝 筑陽学園は西舘昂汰が151球完投も及ばず【全国高校野球】
2019/08/11
互いに堅守光り、両エースが力投
<第6日 第1試合 2回戦 ○作新学院 5―3 筑陽学園●>(11日、阪神甲子園球場)
第101回全国高校野球選手権大会は11日に6日目を迎え、第1試合では2016年覇者・作新学院(栃木)と今春の選抜大会で8強入りした筑陽学園(福岡)が対戦。作新学院が投手戦を制して3回戦進出を決めた。
作新学院は初回、筑陽学園の先発・西舘昂汰(3年)に対して先頭からの2者連続安打などで満塁のチャンスを作ると、主将の4番・石井巧(3年)が犠飛を放って幸先良く1点を先制。さらに3回にも犠飛で1点を追加し2-0とリードした。
対する筑陽学園は3回、作新学院の先発・林勇成(3年)から先頭の石川湧喜(3年)がチーム初安打となる左前安打で出塁すると、その後1死一、二塁から2番・弥富紘介(3年)が左前へ適時打を放って1点を返した。
その後は西舘、林の投げ合いによって両者譲らず、スコア2-1のまま試合は前半5回を折り返す。
6回、作新学院は先頭の石井が四球で出塁。続く横山陽樹(2年)はボテボテの投手前の当たりとなったが内野安打となって無死一、二塁と追加点のチャンスを作る。ここで6番・大河内陸斗(3年)は送りバントをせず強行策。そして右前へ貴重な適時打を放って3-1とリードを広げた。
筑陽学園は直後の攻撃で盗塁失敗などで2死を喫するも3番・中村敢晴(2年)が左中間フェンス直撃の三塁打で出塁。しかし、続く4番・福岡大真(3年)が一ゴロに倒れ得点には繋がらなかった。
両チームの堅守も光って早い展開で終盤7回を迎え、筑陽学園は林に対して先頭の主将・江原佑哉(3年)が中前安打。1死から野田優人(3年)の左前安打と送りバントで2死二、三塁と一打同点のチャンスを迎えたが、ここで西舘が放った痛烈な打球は遊直となってまたも無得点に終わった。
ダメ押ししたい作新学院だが、球速・制球ともに徐々に調子を上げる西舘を捉えることができず9回に突入。3者凡退の作新学院に対し、筑陽学園は林から2死一、二塁のチャンスを作ると、石川が起死回生の左越え2点適時三塁打を放って3-3の同点に追い付いた。
試合は今大会4度目となる延長戦に突入。延長10回、作新学院は西舘に対して先頭の福田真夢(3年)が左前安打で出塁すると、福田は二盗と三盗を決め1死三塁のチャンスを演出。そして3番・中島義明(3年)が適時打を放って4-3と勝ち越しに成功した。さらに横山にも適時打が飛び出してこの回2点を入れた。
作新学院の林は、この2点を延長10回は3者凡退で守り切り、137球の完投で5-3で勝利を決めた。勝った作新学院は優勝した2016年以来3年ぶりの夏の甲子園勝利。一方、16年ぶり2回目出場の筑陽学園は西舘が151球を投げ完投も実らず、今春の選抜で2勝しながら悲願の夏1勝はまたもお預けとなった。