東海大相模・門馬監督「球から絶対に目を切らない」教え浸透 徹底した“隙突く攻撃”でさらに高みへ【全国高校野球】
2019/08/11
「勝ったからこそ反省できることがたくさんある」
<第6日 第2試合 2回戦 ○東海大相模 6―1 近江●>(11日、阪神甲子園球場)
第101回全国高校野球選手権大会は11日に6日目を迎え、第2試合では東海大相模(神奈川)が昨夏8強の近江(滋賀)を6-1で下し、4年ぶりの夏勝利を飾って3回戦に進出した。
春季大会の関東王者・東海大相模が、同近畿王者・近江の隙を見逃さず着実に得点し、優勝した2015年以来4年ぶりの夏1勝を収めた。
東海大相模の先発マウンドに上がったのは背番号「6」の遠藤成(3年)。門馬敬治監督の「県大会では4イニングぐらいしか投げていないが、遠藤の気持ちにかけて」という思いを背負いながら8回途中1失点の力投だった。
8回満塁のピンチでは背番号「1」の紫藤大輝(3年)が押し出し四球を出しながらも、最後は高めの速球で空振り三振に仕留め追加点を許さず。意地の投球に指揮官も「初めての甲子園のマウンドで、あの大観衆の大歓声の中では酷だったと思うが、良く粘ってくれた」と労った。
攻撃面では、相手守備のミスを突いたり、送球間の進塁など隙のない走塁が生きて得点を重ねた。アウトを恐れない積極性、そして門馬監督による「ボールがピッチャーに返るまで絶対に目を切るな、絶対気を抜くな」という教えが最後まで貫かれた。
昨夏のベスト8、そして春季大会でも近畿を制した近江を相手に結果的には6-1。しかし、指揮官は締まった表情を崩さず「いくつもミスがある。勝ったからこそ反省できることがたくさんある」と話した。
一方、近江打線を打たせて取る投球で抑え込んだ遠藤は「林(優樹)投手が粘り強いピッチングをしていたので、まず勝ちきることができて良かった」とコメント。「今日の自分の投球は70点。無駄な四球を出してしまったところは反省しなければいけない」と厳しい採点を下した。
それでも、攻撃では指揮官の意図の通り「全員で機動力を徹底して使えたことは良かった」と話し、「これからも一体感を発揮して戦っていきたい」と早くも次戦への意気込みを語った。
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部