「全力疾走がプレッシャーに」。注目カード制した東海大相模、近江の選手たちが証言する強さの正体【全国高校野球】
2019/08/11
Getty Images
足でプレッシャーをかけた東海大相模
しかし、試合はそううまく運ばなかった。
東海大相模の選手たちがとにかくよく走ったからだ。
2回表、失策で出塁した遠藤が二盗を決め、エンドランを敢行した。打者が空振りし、三塁でアウトになったものの、東海大相模の次の塁を狙っていく走姿は驚異的ですらあった。盗塁をするから怖いのではなく、二塁手の見市や板坂の言葉にあるように、凡打であっても全力で走る姿勢が怖いのだ。
その中で4回表に試合が動く。
先頭の井上恵輔(3年)が四球で出塁すると、3番・西川僚祐(2年)の三塁ゴロの間に二進、4番の山村崇嘉(2年)は一塁飛球に倒れたが、5番・金城飛龍(3年)が遊撃ゴロを放つと、これを近江の遊撃手・土田龍空(2年)が後ろへ逸らしてしまった。
東海大相模は無安打で先制点をもぎ取ったのである。そして、このプレーから、近江守備陣が音を立てて崩れ落ちた。
2点を背負って迎えた6回表には、先頭の2番・井上の二塁ゴロを近江の見市が一塁へ悪送球。1死二塁から4番の山村に右翼前適時打を許して1失点。この間、右翼手が本塁へ送球する間に打者走者の山村の二進を許した。5番・金城は三塁ゴロに打ち取ったかに見えたが、これを三塁手の鈴木侑太(2年)が悪送球。さらに、7番・本間巧真(3年)に適時打を打たれこの回3失点を喫して、試合の大勢が決まったのである。
【次ページ】「僕らは何かが起きる前提でやっている」