星稜・奥川恭伸、救援で最速更新154キロ!5年ぶり3回戦進出 立命館宇治は高木要が170球完投も敗退【全国高校野球】
2019/08/13
3点差に追い上げられた6回から登板、2回1/3を無失点
<第8日 第2試合 2回戦 ○星稜 6―3 立命館宇治●>(13日、阪神甲子園球場)
第101回全国高校野球選手権大会は13日に8日目を迎え、第2試合では星稜(石川)と立命館宇治(京都)が対戦。星稜が立命館宇治の中盤の追撃を振り切り、5年ぶりの3回戦進出を決めた。
星稜は、初戦の旭川大高(北北海道)戦で完投した最速153キロ右腕・奥川恭伸(3年)は先発せず、背番号「11」の荻原吟哉(2年)がマウンドを託された。その荻原は、初回を四球1つの無失点に抑える上々の立ち上がりを見せる。
そして打線は初回は満塁のチャンスを作りながら無得点に終わったものの、続く2回に2死三塁から1番・東海林航介(3年)が中前へ適時打を放ち1点を先制した。
対する立命館宇治は、初戦で秋田中央(秋田)を下して2回戦に駒を進めた。先発のエース高木要(3年)は2回に先制を許したが、続く3回は1死一塁から4番・内山壮真(2年)を三振、そして盗塁を試みた一塁走者を女房役の浅野彰久(2年)が刺して併殺を完成させ無失点に抑えた。
星稜は中盤に入った4回、先頭の大高正寛(3年)が右前安打で出塁し、2死三塁となって8番・岡田大響(3年)が中前へ上手く運んで適時打となって2-0とリードを広げる。
立命館宇治の打線は、荻原の前に2回まで無安打。3回に2番・岡田蒼司(2年)がチーム初安打を放ち2死一、二塁のチャンスを作るも後続が倒れ、4回と5回は2イニング連続で3者凡退に打ち取られて反撃できないまま前半5回を押し返した。
ともに堅い守備でロースコアの接戦となった試合。6回、星稜が突き離しにかかる。先頭の大高の遊撃への内野安打と四球で無死一、二塁とすると、7番・福本陽生(3年)の右越え適時二塁打で2点追加。さらに岡田も右前適時打を放って5-0とした。
星稜はなおも1死一、三塁とチャンスが続いたが、立命館宇治の高木がここから遊ゴロで三塁走者を狭殺プレーでアウトとすると、後続も一ゴロに打ち取るなど守備力の高さを見せつけさらなる追加点は許さず。
すると立命館宇治は直後の攻撃でようやく快音を繋げる。この回から登板した星稜2番手の寺西成騎(2年)に対して2つの四球を選び2死一、三塁のチャンスを作ると、5番・荒井豪太(2年)が左前適時打を放ち1点を返した。また、立命館宇治にとってはこの一打が甲子園での初めての適時打となった。
さらに古賀風地(3年)も中前適時打で続き2-5と3点差。ここで星稜はたまらずエース・奥川が登板。しかし、立命館宇治は奥川からも今野優斗(3年)が左前適時打を放ってこの回一挙3点を挙げてついに2点差に詰め寄った。
立命館宇治は7回の守りで高木が2死走者なしから連続安打と四球で満塁のピンチを招いたが、この試合初打席となった奥川をフルカウントから内角低めの速球で空振り三振に仕留めて流れを星稜に渡さなかった。
一方、2イニング目に入った奥川は、1死から宮下力(2年)と対した際に自身最速タイとなる153キロを計測するなど2者連続で凡打に打ち取る。続く岡田には左前安打を許したが、4番・上田龍一郎(3年)は三ゴロに打ち取って無失点とした。
奥川のテンポの良い投球を攻撃に繋げたい打線は8回、2死走者なしから3番・知田爽汰(2年)が右前安打で出塁した後、4番の内山が左中間を破る適時二塁打を放って貴重な追加点。6-3と粘る立命館宇治に大きなダメージを与えた。
奥川は、8回1死で荒井と対しカウント2-2から投げた速球が自己最速となる154キロをマークする。荒井には四球を与え、その後二塁に進められたが無失点。そして続く9回は、4番手として寺沢孝多(3年)が登板し、立命館宇治の反撃を抑え6-3で勝利を収めた。
勝利した星稜は2014年以来5年ぶりの3回戦進出。一方、敗れた立命館宇治は先発の高木が170球を完投したが、初戦の甲子園初勝利に続いて2勝目を手にすることはできなかった。