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【甲子園速報】中京学院大中京・元謙太「3年生との絆」で放った逆転満塁HR 初Vへ指揮官「ここまで来たら貪欲に」

2019/08/18

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橋本監督「全員で一丸。スタンドの応援が背中を熱く押してくれた」

<第12日 第2試合 準々決勝 ○中京学院大中京 6―3 作新学院●>(18日、阪神甲子園球場)
 
 第101回全国高校野球選手権大会は18日に12日目を迎え、第2試合では中京学院大中京(岐阜)が2016年の覇者・作新学院(栃木)を逆転で下して同校初の甲子園ベスト4入りを果たした。
 
 初戦から3試合連続の逆転勝利。試合後、中京学院大中京の橋本哲也監督は「もう子どもたちに感謝するしかない。最後まで粘り強く戦ってくれた」と賛辞の言葉を惜しまなかった。
 
 初回に3ラン本塁打で先制され、作新学院の先発・林勇成(3年)に対して得点圏まで走者を進めるも、あと一本が出ず拙攻に苦しんだ。
 
 しかし終盤の7回、制球を乱し始めた林をついに捉える。5回から左翼からリリーフに回った元謙太(2年)が中前安打で出塁すると、四球で繋いで一、二塁。ここで井上槙士(3年)の左前適時打で1点を返すと、さらに申原愛斗(3年)も右前適時打で続き1点差に迫る。
 
 そして迎えた8回、林と2番手の三宅悠弥(3年)に対して3四球を選ん回で無死満塁。そして、元が作新学院の3番手・坂主清(3年)を前にカウント2-1からの3球目、真ん中に入った135キロの速球を捉えると、打球は高く舞い上がって左翼ポール際へ。そして浜風にも乗ってそのままスタンドイン。大会第40号となる一発は、試合を土壇場でひっくり返す起死回生の逆転満塁本塁打となった。
 
 2イニングで怒涛の6得点。恐るべき粘り強さでのビッグイニングは、指揮官いわく「全てにおいて、全打席の凡打を生かしてくれた結果」だ。特に元の満塁本塁打には「当然喜びます。よく打ってくれた」と感情が爆発した。
 
 打った元も試合後、「最後に打てて良かった」と喜んだが、続けて「あれは自分の力ではない。3年生との絆が強く、3年生のみんなが笑顔で送り出してくれたからこそ打てた」と振り返った。
 
 橋本監督も、計3回2/3、無失点の好救援と逆転満塁弾で「彼は何か持ってる」と表現した元だけではなく、直後に口にしたのは「全員で一丸となって、スタンドも一丸となって、スタンドの応援が選手たちの背中を熱く押してくれたおかげでこの結果に繋がった」という言葉。
 
 ベンチには唯一の1年生で打順5番に座る小田康一郎、そして2年生1人、3年生16人がいるが、アルプスの部員や応援団も一丸になっての勝利に笑顔が溢れた。
 
 初回に3点を先制されて、「選手たちは逆に気が楽になったと思う」という言葉が今大会の中京学院大中京の強さを物語る。後に逆転する打線だけでなく、エースの不後祐将(3年)、赤塚健利(3年)、そして元謙太という継投も上手くハマった。
 
 橋本監督は「早め早めに切り替えていこうとプラン立てしていた。投手陣が役割を全うしてくれた」と話す通り、5回に不後から元にスイッチして1安打のみに抑え無失点。7回途中に2死一、二塁から元を右翼に戻して赤塚が先制3ランを放っている石井を左飛に抑え無失点。直後の攻撃のチャンスで赤塚に代打を送ったが、右翼から元を再びマウンドに上げ、8回は1安打のみ、逆転直後の9回は3者凡退に抑えて勝ちをもぎ取った。
 
 チームは前の試合で44年ぶりのベスト8入りを果たし、あとは「楽しんでいこう」(橋本監督)と伸び伸びプレーした。
 
 しかし、それが奏功して春夏通じ初のベスト4。初優勝へあと2勝だ。指揮官は「ここまで来たら貪欲に頂点を目指して生徒たちにプレッシャーと気合を入れて、あと2試合臨ませていきたい」と目の色を変えて前を見据えた。
 
 
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部



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