明石商はエース中森俊介の温存に成功。1点差を勝ち切る勝負強さ光る【甲子園ベスト4校を分析】
2019/08/19
投打のポイントは?
明石商は、最速151キロの2年生エース中森俊介をここまで温存できていることが大きい。初戦こそ、埼玉代表・花咲徳栄に対し、135球完投で1点差ゲームをものにしたが、3回戦の宇部鴻城(山口)戦では、初回に2点を先制されながらも、杉戸理斗(3年)が延長10回を一人で投げ抜いた。
3回戦で3年・杉戸が意地を見せて中森に休養を与え、準々決勝では強豪・八戸学院光星戦では中森先発と目されていたものの、この日の先発も杉戸。しかしこの強気の起用が功を奏し、中森にリリーフで37球を投げさせるに留めて、この試合も接戦をものにした。
準決勝、決勝までを見据えての逆算起用がうまくいき、明石商の投手陣は万全と言っていいだろう。先発の中森に加え、八戸学院光星戦では溝尾海陸(3年)も甲子園のマウンドを踏んだ。また、中森が初戦同様に完投すれば、連投となっている杉戸も決勝戦に中2日で登板する可能性も十分にある。
打線は、主将の重宮涼(3年)や4番の安藤碧(3年)ら中軸が打線をけん引。加えて、1番に座るU-18代表候補の2年生・来田涼斗も打率3割をキープしており、さらなる爆発も期待できる。また、花咲徳栄戦で本塁打をはなった水上桂(3年)や宇部鴻城戦でサヨナラスクイズを決めた河野光輝(3年)ら接戦をものにする集中力を持った選手たちが名を連ねており、勝負強い打線が魅力。狭間善徳監督の緻密な采配と闘志にも注目だ。
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