【甲子園速報】履正社、初決勝に導いた背番号「17」2年生・岩崎峻典 無四球完投に指揮官「夢にも思ってなかった」
2019/08/20
フライアウト13個「周りの人のサポートがあって完投できた」
<第13日 第1試合 準決勝 ○履正社 7―1 明石商●>(20日、阪神甲子園球場)
第101回全国高校野球選手権大会は20日に阪神甲子園球場で13日目を迎え、第1試合では、履正社(大阪)が明石商(兵庫)との「近畿対決」を制して初の決勝進出を決めた。
降雨の影響より1時間遅れて始まった第1試合。履正社が初回の猛攻によって生んだ4得点を最後まで守り切って、同校初の夏の決勝に駒を進めた。
初回、先頭の桃谷惟吹(3年)が三塁打で出塁し、続く池田凛(2年)の適時打で幸先良く先制すると、その後も2連続適時打で一挙4得点。この攻撃を「チームの持ち味」と心強く見守っていたのは、2年生の背番号「17」岩崎峻典だ。
今大会初先発を任された右腕は、先制直後に明石商の1番・来田涼斗(2年)に中堅バックスクリーンへ先頭打者本塁打を浴びたものの、その後は好制球とともにテンポの良い投球でスコアボードに「0」を並べていく。
岡田龍生監督もこの投球に「ここまで投げてくれるとは夢にも思ってなかった」と驚いたが、コーチらとの相談の上で「何とか(打線が)7点以上取ってやる」と送り出した岩崎を「抜け球も少なく、ストレートでどんどん攻められた」と絶賛した。
「5回から6回まで持ってくれたら」という指揮官の当初の思いに反して、岩崎の制球、テンポの良さは結局最後まで崩れず。9回130球を投げ無四球う1失点完投。27個のアウトの内、実に12個がフライアウトで相手に機動力も使わせなかった。
岩崎は「四球が無かったので、守備も守りやすかったと思う」と胸を張りながらも、「こういう準決勝のマウンドで任せてくれる監督さんに感謝して投げた」とコメント。
10奪三振という岩崎個人の能力も光ったが、打たせながら堅いバックの守りにも支えられたのは間違いない。それをまた岩崎が自らの力に変え、「周りの人のサポートがあって完投できた」と感謝の言葉を惜しまなかった。
いよいよ決勝戦。春の選抜大会は2度の準優勝(2014年、2017年)があるが、春夏通じて優勝経験はない。初の頂点へ向けて、岩崎は「いつも(エースで3年生の)清水さんにお世話になっているので、抑える所を抑えたい。いつでも代われる準備をしたい」と投手陣、チーム一丸となって勝ちに行くことを誓った。
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部