星稜・奥川恭伸の投球に思う甲子園のあり方。両エース不調の決勝戦、求められる“球児のための”環境作り【全国高校野球】
第101回全国高校野球選手権大会が22日、大阪・履正社の優勝で幕を閉じた。敗れた星稜のエース奥川恭伸は5失点と精彩を欠いた。奥川の“らしくない”投球から、甲子園決勝戦という舞台のあるべき姿が問われる。
2019/08/23
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履正社・清水も不調「肘の異変もあります」
中1日の登板が影響したのか、3回戦で165球を投げたのがいけなかったのか、あるいは、165球を投げて、中2日で登板したことが尾を引いたのか。
バイオメカニクスのプロの分析でも入らない限りは、明確な答えは出てこないのかもしれないが、誰の目にも奥川が今大会の中でもっとも調子が良くなかったのは明らかだった。
もっとも、不調だったのは履正社の先発・清水大成も同じだった。
彼は今大会で1試合165球も投げるようなことはしていないが、3回戦と準々決勝は連投している。「連投の疲れはありました。肘の異変もあります」と連投になった準々決勝戦を完投した際には清水が漏らしたほどだ。
奥川は決勝戦を迎えて中1日空いていて、清水に関しては中3日もあった。
昨夏の決勝戦では吉田輝星(金足農)が2度の連投を強いられ疲労を抱えての登板だったから、それに比べればこの日の2人はもっといいピッチングができるだろうと目論んだ人は多くいたはずだ。
だが、現実は甘くなかったということである。
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