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古豪・日大が1部復帰 機動力と徹底力で狙う「戦国東都」の頂点

 6月15日から行われていた東都大学リーグ1部2部入替戦で、リーグ優勝22回・日本一3回を誇る古豪・日本大が1部最下位の拓殖大を連勝で下し、7季ぶりの1部返り咲きを決めた。その要因には、持ち前の機動力と主将を中心とした徹底力があった。

2015/06/21

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高木遊



日々の生活から磨いた徹底力

「攻守交代やフライを打った際でも常に全力疾走するということをやってきましたし、それを怠ることを許さない空気ができあがっていました」と仲村恒一監督は、機動力とともに、その徹底力を勝因に挙げた。

「スタートを切るタイミングなども含め、走塁すべてのスキルが高い」と仲村恒一監督が絶賛する1番の長沢吉貴(1年・佐野日大)から始まる打線は、3番に今秋ドラフト候補の山崎晃太朗(4年・青森山田)、4番には来秋ドラフト上位候補の京田陽太(3年・青森山田)ら、機動力の高い選手を複数擁している。だが、各自がその力を発揮し、役割を徹底するとなると簡単なことではない。

日大・長沢のコピー
【写真】チームの核弾頭・長沢吉貴。昨春は佐野日大で甲子園にも出場した。

 シーズン前に幸田主将は「一番大事なのは、全員に同じ考え方を持たせて、これをやろうと徹底させることですね。また、その徹底が一番難しいことだと思います」と語っていた。

 そこで幸田主将は、監督・コーチと話し合い、「近所の方との挨拶もそうですし、小さなことをチームとして徹底することがここ一番の集中力に繋がる」と正月明けから地域のゴミ拾いを始めた。また、グラウンドでも小さなゴミが落ちていれば4年生から率先して拾っていった。
 すると、「普段の何気ないときでも、前を歩いていた下級生が自然とゴミを拾っていてうれしかったです」と幸田主将が笑顔で振り返るように、チーム全員で私生活の些細なことから約束事が徹底できるようになった。
 それは野球でも表れ、自チームの課題や相手チームの攻略法も、全員でしっかりと共有し、時には注意し合えるような空気が醸成されたという。

 もちろんゴミ拾いをしたからといって勝てるようになったわけではないが、私生活を野球の結果に繋げる手段と目的が明確であったことは確かだ。

「機動力の日大」が加わり、激化する優勝争い

 今春の東都大学リーグは、専修大が強力打線とタイプの違う3投手の巧みな起用で「戦国東都」の頂点に立った。高い機動力を武器に積極果敢な姿勢を見せる日大が加わり、より混戦模様を深めそうだ。

 この2校以外にも、ドラフト1位候補左腕・今永昇太(4年・北筑)の復帰が予想される駒澤大、攻守で4年生が引っ張り団結力の高い国学院大、強力打線の中央大、試合巧者の亜細亜大と、各校の個性が際立った熾烈極まる秋季リーグ(9月開幕)を今から楽しみに待ちたい。

日大・木村光彦2のコピー
【写真】木村光彦の粘り強い投球も1部昇格には欠かせなかった。

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