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「これからさらに良くなる」高知・藤川球児、日本復帰初登板は先発で4回1失点

20日行われた四国アイランドリーグplusのオープン戦、高知ファイティングドッグス対徳島・香川連合軍戦で、藤川球児が先発した。

2015/06/21

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広尾晃



高知デビューとなった藤川の声

 試合終了後、隣接する体育館で記者会見が行われた。

藤川:ゲームが同点で終わったのが残念、勝てればみんなで分かち合えたのにと思います。自分としては久しぶりの日本のマウンドで、マウンドの感触とか、体のバランスとかを気にしましたが、これからどんどん良くなると思います。

――高知のファンの歓声はどうでしたか。

藤川:いつもそうですが、応援してもらえる環境で野球ができています。自分は支えてもらっています。それが高知であろうが甲子園であろうが、アメリカではほとんどなかったと思いますが。(声援は)自分の力でつかんでいかなければいけないと思います。今日も、4回満塁になったときに、そこからもう1つエンジン掛けてやらなければという気持ちになりました。(観客が)今の80%、90%(の状態)から1%でも高めてくれました。そういう点では有意義なマウンドだったと思います。

――(高知球場は)いろいろ思い出のあるマウンドだと思いますが、思い出したことは?

藤川:(高知商業3年生の98年、藤川は、この球場で行われた高知県大会準決勝で完投するも1-3で高知高校に惜敗している)あまり良い記憶がないマウンドではありますが、ナイター設備がついたり、高知県、高知市がいろいろ考えてくれている(恵まれた)中で、野球ができているんだなというのが一つ。そしてたくさん来てくれた子どもや大人、大阪や他の地方から来てくれたファンの方に恥ずかしいところは見せられないと思って調整してきました。気づいたら今日、3連投目だったもので(笑)。一昨日投げて今日に備えるはずだったんですが、キャッチャーと意思疎通をしたいと思って昨日もブルペンに入りました。楽しかったです。

――今日の登板を自己採点するとすれば何点ですか?

藤川:1点取られたので。それに野手とのコミュニケーションがもう一つだったかなと。勝てなかったので点数はないです。

――4回を投げましたが。

藤川:正直、救援投手をやっていると1日1イニングの登板なのでなかなか感覚がつかめないんです。先日もシートで9人に投げましたが、たくさんマウンドからボールを投げることで、この球が良かったな、とかこうすればいいんだなとか、課題を多く出すことができます。それが一番です。4回投げたのは想定内です。全部いくつもりで投げていますから。

――バックネット裏には4球団5人のスカウトがいましたが、アピールする気持ちは。

藤川:ないですね。僕は野球選手なんで。グランドで精いっぱいやって、誰がどう見るかというのは(意識しません)。僕はどんな試合でも勝つために投げているので、評価をもらうというのは違うと思います。選手が評価をもらうためにプレーすることはないと思います。

――57球のうち半数以上は変化球でしたが、それは長いイニングを投げるためですか?

藤川:それはありますね。少しでも長いイニングを投げようと思ったので。初回はストレート中心でいきましたが、マウンドの感覚をつかむには変化球を投げるのが一番いいので。うまく打たれたカーブもありました、それは悔しかったですが。

――球種は全部試したのですか。

藤川:それはあまり言いたくない。職業上秘密にしたいので。ストレートとフォークしか投げなかったということ(にしておいてください)。

――日本に帰ってきて納得がいく球は投げることができたか。

藤川:バッターを抑えたら納得がいきますね。抑えるのに根拠がいりますが、それは練習では全く出ませんから。投手なので、一つのアウト、一つのストライク、一つのフィールディング、一つの牽制が大事です。シーズン中でも少しずつ階段を上るような調整をするので、悪いものは消して、良いものは続けていく。それだけに多くのイニングを投げることが大事です。ま、勝ちたかったですけどね。

――MAX146km/hでした。どうしても藤川投手といえば150km/h超というイメージがあります。まだ準備段階とは思いますが。

藤川:準備段階ではないですよ。甲子園のスピードガンは速いので(このまま投げても150km/hは)出ると思いますよ(笑)。やはり打者のことを知るなかで配球を考えてストレートを投げるので。僕は自分のやるべきことを追求していくだけです。今日はイニングも投げないといけなかったし、全部ストレートを投げていたわけではないですし。でも、(球速が落ちたことを)認めたくないと言えばそうなのかもしれないですね。

――マウンドが気になるということですが、ボールはどうですか。

藤川:(四国のボールは)NPBのボールとはまた少し違うので。気にならないようにすることのほうが難しいですけど。マウンドの角度、傾斜も違います。傾斜がないので縦の球種よりも横の球種の方が有効だと思います。そこにアジャストしないといけないでしょう。

――次回登板は。

藤川:予定としては来週ですが、とりあえず明日の体調を見てからです。たぶん大丈夫だと思いますが。

――4回の無死満塁はどういう心境だったのですか。

藤川:勝負は、一、三塁から始まってましたね。カウントが悪くなったので歩かそうと思いました。その後の打者の初球、空振りさせた球が大事でした。日米のストライクゾーンは違います。多少横が広かった印象です。日本の打者はその分インコースに反応するので、それを意識してインコースを多めに投げました。その時に気づいたことに対応しないと。このくらいの年齢になると、「自分はこれ」で押し通すことはできないです。とにかく柔軟にやろうと思いました。心技体を整えて試合に向かうのが一番重要だと思っています。

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