米大学野球の名監督がコービー・ブライアント氏と同じ事故で死亡。恩師を偲ぶ教え子たちがシリーズ開幕戦に臨む
2020/01/30
角谷剛
全選手が背番号「14」をつけた
こうしてアルトベリ氏が亡くなってから僅かに2日後、午後2時からの試合開始に先立って、両チームの全選手がグラウンドに整列し、式典が始まった。平日の日中にもかかわらず、会場にはおよそ2500人の参列者が集まった。式典では相手チームのコーチ、代理でオレンジ・コースト・カレッジの監督を務めるジョンソン氏、そしてアルトベリ氏の実弟トニーさんが順番にスピーチを行い、故人の思い出を語った。
トニーさんのスピーチは以下の言葉で締めくくれられた。
「皆さんにお願いがあります。これからの3時間、試合が行われている間、どうか笑顔でいてください。そして試合を楽しんでください。それこそが兄ジョーンが望んでいたことだからです」
アルトベリ氏の生前の背番号「14」にちなんで、会場全体で14秒間の黙想が捧げられ、続いて国歌斉唱が行われた後、両チームの全選手がホームベース前で互いにハグを交わした。
この日、オレンジ・コースト・カレッジの全選手が背番号「14」をつけた。その中には2018年夏の甲子園大会に出場した元慶応高校の根岸辰昇選手の姿も見えた。
試合は7-8でオレンジ・コースト・カレッジが敗れ、シリーズ開幕戦を飾ることはできなかった。
角谷剛