履正社打線を支える強力アイテム。岡田監督がスタンドティーで打撃強化を図る理由
「打撃指導」に定評のある高校野球界の名将が球児へ贈る、 一気にバッティングを進化させるマル秘上達メソッドが詰まった『高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意』(大利実著、5/26発売)から2019年夏の甲子園を制した履正社・岡田龍生監督の章から一部抜粋で先行公開です。
2020/05/21
『斜めからのティーは意味がない』
〈技術編〉
1.スタンドティーで打撃強化→ミートポイントを確認できる
「選手同士で、斜めから普通に投げるティーはやっていません。2年ほど前にやめました」
東洋大姫路から日本体育大に進み、大学卒業後は鷺宮製作所でプレーした岡田監督。高校時代は3年春センバツでベスト4に勝ち進んだが、高校通算本塁打数を聞くと「0本。今の選手は、ぼくよりもはるかに飛ばす力がある」と笑う。現役を終えたあと、大阪・桜宮のコーチを2年務め、1987年から履正社の監督に就いた。そこから30年近く、斜め前からのティーバッティングは当たり前のようにやってきたという。
「誰に聞いても、弊害があると。実戦で斜め前からボールがくることはないし、それをネットに打ち込もうとしたら、引っ張る打球を打っていることになる。どうしても、バットが外側から出るクセが付いてしまう。落合博満さん(元巨人など)も、『斜めからのティーは意味がない』とよく言われていましたよね。高校生を見ていると、自分の打ちやすいところでしか打っていない。トスを上げる投げ手のレベルが高ければいいんですけど、選手同士でやると、なかなかそこまでいきません」