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米子東を立て直した若き指揮官――低迷脱却のカギは、科学的見地に基づいた打撃強化術

「打撃指導」に定評のある名将が球児へ贈る、一気にバッティングを進化させるマル秘上達メソッドを収録した『高校野球界の監督がここまで明かす!打撃技術の極意』(大利実著、5/26発売)。今回は2019年春、部員18名(女子マネージャー2名含む)で23年ぶりにセンバツに出場を果たし「古豪復活」を印象付けた米子東・紙本庸由監督の章から一部抜粋して公開します!

2020/06/10

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マズローの『五段階欲求説』が始まり 「他者社会」への貢献が大きなパワーに

 指導法で、特に印象に残ったのがこの考えだ。
 
「“科学的見地”に基づいた練習と、強くなる道筋の“細分化”」
 
 理解力、吸収力の高い進学校の強みを最大限に生かし、与えられた時間の中でどれだけ効率よく成果を上げることができるか。技術指導は前田健さん(BSCベースボールパフォーマンス代表)、トレーニング指導は高島誠さん(Mac’s Trainer Room 代表)と、定期的に専門家を招き、トップレベルの教えを受けているという。
 
 とはいえ、プロ野球選手のように、専門家の教えをいつも受けられるわけではない。予算の関係上、指導を依頼できるのは年に数回であり、それ以外の日常のほうが圧倒的に長い。教えを理解し、自分のものとして定着できる吸収力や向上心がなければ、チーム全体のレベルアップにはつながっていかない。紙本監督はどのようにして浸透させているのか、そこに興味を持った。
 
 取材のお願いをすると、「前田健さんが来られる日がちょうどありますよ」と有難い返事をもらい、指導日に合わせて米子入りすることになった。
 
「指導者としての始まりは、マズローの五段階欲求説から始まっているんです」
 
 紙本監督への取材は、意外な一言から始まった。マズローの五段階欲求説といえば、人間の欲求を、五層から成るピラミッドで表現したものだ。中学校か高校か忘れたが、授業で習った記憶がある。
 
「教師になる以前から、“やる気”に興味を持っていました。すごく頑張れる人もいれば、頑張れない人もいる。その違いはどこにあるのか。そんなときに、書店で五段階欲求説の本に出会い、そこからのめり込んでいきました」
 
 
第2回につづく


『高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意』
(著者:大利実/288ページ/四六判/1700円+税)
「打撃指導」に定評のある名将が球児へ贈る、 一気にバッティングを進化させるマル秘上達メソッド
【収録高校】 履正社/岡田龍生監督 明石商/狭間善徳監督 仙台育英/須江航監督 明豊/川崎絢平監督 米子東/紙本庸由監督 県相模原/佐相眞澄監督
特別収録 プロが語る『打撃論』 【スコアラ―】三井康浩 【フライボール革命】神事努
 
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高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意

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