『誰かのために』という想いが勝利へ繋がる。米子東・紙本監督を変えた、カリスマ教師の教え
「打撃指導」に定評のある名将が球児へ贈る、一気にバッティングを進化させるマル秘上達メソッドを収録した『高校野球界の監督がここまで明かす!打撃技術の極意』(大利実著、5/26発売)。今回は2019年春、部員18名(女子マネージャー2名含む)で23年ぶりにセンバツに出場を果たし「古豪復活」を印象付けた米子東・紙本庸由監督の章から一部抜粋して公開します!
2020/06/11
思考が行動を生み、その行動が結果を生む
「自分の思考が、『私』ではなく『他者・社会』に向いていることに気づきました。たくさんのOBや保護者を喜ばせたい、両親を一度甲子園に連れて行ってあげたいとか、『誰かのために』という想いが強いんです。その目的を実現するためにも勝ちたい。甲子園を決めたときは、本当にたくさんの人に喜んでもらえました。だから、米子東が目指すのは、『利他的勝利至上主義』です。人の役に立つ、人を喜ばせる。このパワーは本当にすごいものがある。うちの選手たちはこの思考がベースにあるので、少々のことではへこたれません」
利他的勝利至上主義――、初めて聞いた言葉だ。利他的とは、わかりやすく言えば「自分のことよりも他人の幸福を願うこと」という意味になる。「誰かの役に立ちたい、何かに貢献したいという想いは、もともと、誰もが持っているものです。でも、そこに気づいていない選手もいる。だから、意識して、自分たちの取り組みが世の中にどれほど貢献しているのかを伝えるようにしています。実感できれば、もっと貢献したいという気持ちが芽生えてくるものです」
「米子東の野球から元気をもらった」という地元の人の声があれば、すぐにそれを伝える。野球振興活動の一環として、保育園や幼稚園、少年野球を対象にした野球教室も開いていて、感謝の言葉をもらうことも多い。「思考が行動を生み、その行動が結果を生む」 これが、紙本監督の考えだ。他者・社会に貢献する意識が強くなれば、少々きつい練習であろうとも、心が折れず、自主練習にも主体的に取り組めるようになる。ベースとなる思考があってこそ、技術を高めていくことができるのだ。
(つづきは書籍で)
『高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意』
(著者:大利実/288ページ/四六判/1700円+税)
「打撃指導」に定評のある名将が球児へ贈る、 一気にバッティングを進化させるマル秘上達メソッド
【収録高校】 履正社/岡田龍生監督 明石商/狭間善徳監督 仙台育英/須江航監督 明豊/川崎絢平監督 米子東/紙本庸由監督 県相模原/佐相眞澄監督
特別収録 プロが語る『打撃論』 【スコアラ―】三井康浩 【フライボール革命】神事努
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高校野球界の監督がここまで明かす! 打撃技術の極意