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「根拠のある奇跡を」 グラウンドを失くしても埼玉で躍進する東京成徳大深谷

浦和学院や春日部共栄など全国区の強豪校がしのぎを削る埼玉の高校野球で、東京成徳大深谷が春夏秋通じて初の県大会4強入りを果たした。グラウンドを失い3年生部員17名のみの選手たちで戦う今夏、初の甲子園出場を目指す。

2015/07/12

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高木遊



逆境はねのけ大躍進を遂げる

 野球部が創部されて17年目を迎えた昨春に練習拠点を失った。
 企業から借りていたグラウンドがソーラーパネルの設置場所となったため、以降は練習場所を転々とした。

 球場を借りられる際は実戦的な練習ができるが、それも週1、2回。それ以外はバッティングセンターの空きスペースや神社周辺の山道、体育館などを使う。また、時には合宿棟の和室を使って練習することさえある。

 そんな状況を説明すると、入部希望者はいなくなった。現在、部員は女子マネージャー2人を含めた19人だけとなっている。しかも2年生の女子マネージャー1人を除き部員はすべて3年生で、今年が野球部として最後の夏となってしまう危機も迫っている。

 だがそんな中、今春にチームは大躍進を遂げた。これまでなかなか越えられなかった8強の壁を、冬場の打撃練習などほとんどできなかった今年の3年生たちで見事に破った。

 創部時から指揮を執る泉名智紀監督は「もっと戦力が充実していた代だってあったんですけどね。もう、野球の神様がご褒美をくれたとしか思えないですよ」と笑う一方で、「“良い木ではなく良い森にならなければいけない”と常々言ってきたのですが、良い森になってきました」とチーム力の成長をしみじみと語った。

集合写真(監督、コーチも)5
写真:17人の選手と2人の女子マネージャーで同校史上初の甲子園出場を狙う【高木遊】

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