早実・清宮幸太郎 「甲子園に出ることを宿命づけられる」中で臨む、初めての夏
各地で甲子園の地方大会が開幕する中、西東京大会の初戦を16日に控える早実の清宮幸太郎に注目が集まっている。春の東京大会で鮮烈デビューを果たし、甲子園を目指す初めての夏でどんな活躍を見せてくれるのだろうか。
2015/07/15
「3番ファースト」で臨む
第1回の全国中等学校野球優勝大会(夏の甲子園)が始まったのが100年前。甲子園球場はまだなく、豊中球場で行われた。その大会に出場していた10校のうち今年、一番甲子園に出場できる可能性があるのが早実かもしれない。
開幕第1試合の始球式でボールを投げるのが早実OBの王貞治氏。センバツでは投手として優勝し、夏もノーヒットノーランを記録するなど活躍した。
その「偉大な先輩が始球式をされるのに、後輩が出ないなんて失礼」とコメントしているのが1年生、和製ベーブ・ルースと言われている清宮幸太郎だ。
ラグビーのヤマハ発動機監督、清宮克幸氏の長男で、春の東京大会でデビューすると、いきなり豪快なホームランを放つなど、チームのベスト8進出に貢献した。
夏の地方大会前、周囲はすでに騒がしくなっていて、新聞の1面報道や、表紙を飾る雑誌もあった。ゲーム当日の取材も高校野球の地方大会では珍しく、メディアは身分証明、腕章携帯。本人の会見も設定され取材制限もする、という通達が出ている。
清宮は春は控えメンバーの登録だったが、夏の大会で正式に背番号「3」をつける。「1年生で出る以上、出られない先輩方のためにも打ちたい」と決意を語る。春からの定位置、3番ファーストを堂々と任されそうだ。
春から3カ月が過ぎて、バッティングもレベルアップしているようだ。九州、関西、北陸遠征も経験、地方の強豪校との練習試合も多数、行った。それらも含めたホームラン数は10本を越え、プロ注目のドラフト候補から打ったホームランもあるという。
バットのヘッドを投手方向に向け、懐深く構える。手首が柔らかく、軸がぶれないフォームだ。和泉監督の指導もフォームなど特に型にはめず、本人に合った形でプレーさせるのが基本だ。