7者連続三振で、日米プロ球団熱視線も「まだまだ」 田中正義(創価大)の未来
ユニバーシアード日本代表壮行試合で創価大・田中がプロ相手に7者連続三振を奪ったことは記憶に新しい。来年のドラフト注目株として注目を浴びるが、本人や周囲も「まだまだ」と慢心は一切ない。
2015/07/22
高木遊
本人と周囲は「まだまだ」
迎えた今春のシーズン。
チームはリーグ優勝を逃すも、主に2回戦で先発(最終節のみ1回戦と3回戦で先発)した田中は6勝0敗、防御率0.40の成績で生田目翼(流通経済大3年)とともに最優秀投手を獲得。大学日本代表では善波達也監督からエースとして指名され、文句なしで2年連続の大学日本代表入りを果たした。
そして記憶に新しいのが、ユニバーシアード壮行試合として行われた6月29日のNPB選抜戦だ。
3回から登板した田中は、前の打席で本塁打を打っていた山川穂高(西武)を全球ストレートでレフトフライに打ち取ると、なんとそこから7者連続三振を奪う。この日最速の153キロのストレートに、昨年からキレを増してきたフォーク、スライダー、カーブなどの変化球も織り交ぜ、既にプロでプレーする若手の有望株を寄せ付けなかった。4回無安打無四球8奪三振という結果に、これまで以上の高い注目と評価を得た。
「田中正義は、まだまだこんなものではない」と口を揃える佐藤康弘コーチ(写真左)と岸雅司監督
そんな周囲の喧噪をよそに田中は「自己評価と周囲の評価にギャップがありすぎて、そっとしておいてほしいかなと思うこともあります」と話す。また佐藤もその言葉を聞くと「そうでなきゃ困りますよ。全然まだまだですから」と笑った。
今後の目標について田中は「まずは(王座奪回を目指す)秋のリーグ戦です。そこで1回戦の先発として最低でも5勝はしたいです」と話す。チーム内には今秋のドラフト候補にも挙がる技巧派右腕・小松貴志に、創価高からの同期で150キロを越える速球が武器の右腕・池田隆英や精鋭が揃う。
こうした環境に「お互いに刺激を与え合いながらやっていきたいです」と話した田中。
さらなる進化に向け一歩ずつ確かな歩みを続ける怪童に、慢心は一切見当たらない。