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【野球コラム】早実・清宮幸太郎 100年の歴史を背負いながら挑む初めての甲子園

夏の甲子園大会、西東京大会は早稲田実が東海大菅生に逆転勝ちし、29回目の出場を決めた。100年前の第1回大会の出場校の早実。歴史は受け継がれている。

2015/07/31

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人生をかけた試合

 100周年というレジェンドと、清宮幸太郎というニューヒーローが今年の早実を甲子園の舞台に導いた、そんな西東京大会の優勝だった。
 早実は100年前の第1回大会出場10校のうちの一つ。開幕試合の始球式はOBの王貞治氏が行う。縁の年となる。

 ラグビーのヤマハ発動機監督の清宮克幸氏を父に持つ。清宮監督は選手として監督として早大で日本一、サントリー、ヤマハでも日本一に輝いている指導者。「日本代表の監督をやりたい」と言い放つ。そのカリスマの長男でリトルリーグ時代、アメリカでの世界選手権決勝で94メートルの特大のホームランンを放って世界一になった。その時に現地のメディアが和製ベーブ・ルースと評した。

 早実高等部に入学したこの春の大会から人気ぶりは社会現象化していて、連日、球場には観客と報道陣が詰めかけた。

スラッガー清宮は1年生でありながらチームをけん引した。苦戦した都立日野戦、4打数4安打3打点。全ての打席で快打を予感させる雰囲気を醸していた。投手が見入られたカエルのようだった、というのは言い過ぎだろうか。打球はすべて会心の当たりだった。

 同じようなシーンは準決勝の日大三戦。決勝打は3回、2死一、二塁から清宮が右中間フェンス直撃のツーベースで決勝点を叩きだす。このゲームでの立役者はエース番号を背負う松本。日大三の強力打線を完封してしまう。ある早実関係者は「松本が完封なんて奇跡が起きた」と言った。日大三高打線が清宮の存在と早実という名を意識するあまり、動きの硬さが見て取れた。

 そして奇跡の集大成が東海大菅生との決勝の8回表。5点差を逆転して一挙、8得点。勝ちを意識するあまり、菅生投手陣は5四球を連発するなど、余裕をなくしていた。だが、清宮はこれを奇跡や運ではないという。有言実行のスーパールーキーは「実力です」と言い切る。「プロで活躍されている方は1年夏から甲子園で大活躍された。出ると出ないじゃ大違い。この試合に人生がかかっていた」と話す。

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