【プレミア12】監督選考で難航、国内リーグ消化できない危険も 難題山積の韓国代表
今年11月に初開催される予定のプレミア12。侍ジャパンの初戦の相手は宿命のライバル、韓国だ。日本は第1次候補選手の65人が発表されたがお隣の国では何が起こっているのだろうか。韓国代表の今に迫ってみた。
2015/08/14
揉めた監督人選
「伝統の一戦だ」――スクリーンに日本国旗が写し出されるとファンは打倒・日本に燃えた。5月20日、韓国でプレミア12の日程が発表された際、現地記者は一斉に伝えた。
しかし、その翌日にさっそく大きな壁にぶち当たった。監督選びだ。韓国では侍ジャパンのような代表専門組織が存在しない。そのため、一からチームを組織しなければならない。そんな中でも監督人選には「国家代表監督は現役監督および、前年度の韓国シリーズ優勝チームから選ぶ」という規定がある。そこで適任なのはサムソンライオンズ監督のリュ・ジュンイル。13年WBCや昨年行われた仁川アジア大会でチームを指揮した経験がある。国際大会の戦い方を熟知している。
だが、当の本人は難色を示していた。当時、首位争いを繰り広げていたサムソン。2つの懸念事項があった。1つ目はもし、チームが韓国シリーズ進出を決めた場合にはプレミア12開始のギリギリまで試合をしなければならないこと。2つ目は監督の2足のわらじを履くことだった。
球団からの反対もあって韓国プロ野球委員会(KBO)はリュ・ジュンイルの招聘を断念。その後、人選は6月下旬まで長引いた。揉めるに揉めて決定したのは09年WBCで監督を務めたキム・インシク。決勝戦でイチローをなぜ敬遠しなかったのかと問いだたされていた姿が記憶に新しい。就任が決まり、決意を語った。「09年以来の代表監督でとても大きな責任を感じる。初戦の相手は日本。6年ぶりの対戦になるが、今度こそ勝ちたい」と。闘志むきだしの状態だった。