【高校野球】米メディアも話題に 専大松戸、二段モーション騒動は「不運」で片づけていいのか
夏の甲子園、第2日。専大松戸の原は試合中に投球フォームについて注意を受けた。このことは、海を越えたアメリカでも話題になった。
2015/08/10
予選はOKだったのに、なぜ本大会はNG?
これは「運命」だったのか、それとも「不運」だったのか――。その出来事は高校野球100年のメモリアル大会となる第97回全国高校野球選手権大会の第2日(7日)第1試合で起こった。
専大松戸(千葉)の右腕エース・原嵩が花巻東(岩手)戦で先発し、初回の立ち上がりから再三に渡って桑原和彦球審に二段モーションについての注意を受けたのである。
試合後の原によれば「5~6回言われました」という。夏の甲子園でも身長185センチの長身から最速148キロの直球を持ち味にスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップを操る本格派として注目を浴びていた右腕が注意を受けた序盤からリズムを崩し、自慢の制球も乱れて4回1/3を5四死球4安打4失点で途中降板。チームも2-4で敗れ、初戦で姿を消した。
「(注意を受けたことを敗戦の)言い訳にしたくない」と原は大勢の報道陣の前で多くを語ろうとしなかったというが、予選の県大会で一度も投球フォームについての注意は受けておらず、同じ投げ方なのにどうして甲子園ではNGとなったのかという疑問はどうしても拭い去れないだろう。
ダンマリを決め込んでいたとはいえ、実はマウンドで本人も激しく動揺し、フォームが気になって仕方がなくなっていたのは想像に難くない。
確かに原の左足は高く上げた後、降ろしていく段階で動きが一旦止まりかっているように見えなくもない。だが注意を受けた初回の投球フォームを録画映像でチェックしてみると、その左足は下がっていく時に非常にスローペースではありながらも動いていて完全に静止してはいないことが確認できた。投球動作の途中で動きを止めてしまうと野球規則で禁止されている二段モーションとなるが、個人的には原の投球フォームが抵触するか否かについてはかなり微妙なところだと思う。