【高校野球】米メディアも話題に 専大松戸、二段モーション騒動は「不運」で片づけていいのか
夏の甲子園、第2日。専大松戸の原は試合中に投球フォームについて注意を受けた。このことは、海を越えたアメリカでも話題になった。
2015/08/10
アメリカでも、静かな話題に
二段モーションを含め反則投球の判断は、その試合のジャッジを任された各球審の裁量によって決まる。高校野球連盟(高野連)の大会ルールも基本的にプロと同じ。だから各試合によって球審の判断が分かれる可能性は今後もある。
しかしながらこれを「仕方がない」の一言で済ませ、このまま見過ごしてしまってしまってはいけない。やはり今回のケースのように県大会で特に問題視されなかったプレーが本大会になって「×」が出され、ジャッジの誤差が生じてしまうことには強い違和感を覚える。原の悲劇を繰り返さないためにも、これを機に各球審の判断が分かれないように「二段モーション」の判断基準をより明確化させ、さらに疑わしき投球フォームと見なした場合には本大会予選の早い段階から注意を促すなどして再発を防ぐべきである。高野連には、ぜひお願いをしたい。
ちなみに原は高校3年生で各球団のスカウトたちが熱い視線を送る今年秋のドラフト上位指名候補だ。絶対の自信を持っていたはずの投球フォームが甲子園の大舞台で否定され、本領を発揮できずに敗れた精神的なショックは察して余りある。今後の進路はまだわからないが、無念さをバネに悲劇から立ち直って再び飛躍してほしい。
最後に海の向こうでも、この〝二段モーション騒動〟が静かな話題を呼んだことを補足しておきたい。米スポーツ専門局ESPNも7日(日本時間8日)深夜に放送された番組『スポーツセンター』の中で日本の高校野球・夏の甲子園大会をホット・トピックスとして取り上げ、この専大松戸VS花巻東の一戦で起こった出来事を「不運」として報じ、次のように論じていた。
「彼(原)はストップモーション(二段モーション)としてボークを取られなかったが、注意を受けた。それは球審を含む審判団のせめてもの情けだったのかもしれない。しかし情けがあるならば、大会の取材者側(高野連)は予選の時点で注意するべきだっただろう。もしこれが五輪やサッカーのワールドカップで同じことが起これば、それこそ国際問題に発展するはずだ」――。