【選抜準決勝の展望】天理対東海大相模、明豊対中京大中京…春のセンバツ甲子園決勝をかけた戦いは“球数制限”も焦点か
2021/03/30
Getty Images
ベスト4が出揃った第93回選抜高等学校野球大会。31日には、天理(奈良)対東海大相模(神奈川)、明豊(大分)対中京大中京(愛知)の対戦カードで、準決勝が行われる。
今大会は、故障防止の観点から、1人の投手につき「1週間500球以内」とする球数制限が導入され、準決勝は、各校が擁する“エース”の起用法も大きな焦点となるだろう。試合に先立って、準決勝2試合の見どころを探っていく。
第1試合 天理(奈良) - 東海大相模(神奈川)
好投手を擁する東西の強豪校対決となった準決勝・第1試合は、投手戦が予想される。天理の193センチ右腕・達孝太は、全3試合に先発。準々決勝・仙台育英戦の9回以外を1人で投げ切っている絶対的エースだ。打線の中心は、勝負強い打撃を見せる4番の瀬千皓。9番を打つ女房役の政所蒼太も打率.667と攻守に存在感を放っている。
一方の東海大相模は、エース左腕の石田隼都を筆頭に、石川永稀、求航太郎の両右腕を擁する投手陣は強力。特に石田は、全3試合に登板し、17イニング連続無失点を継続中と抜群の安定感を誇っている。初戦、2回戦と本領を発揮できずにいた打線は、主将・大塚瑠晏が急性胃腸炎で欠場した準々決勝・福岡大大濠戦で奮起。トップバッターの門馬功をはじめ、3番・小島大河、4番・柴田疾も調子を上げてきている。
第2試合 明豊(大分) - 中京大中京(愛知)
準決勝・第2試合も、甲子園常連校同士の対戦となった。明豊は、タイプの異なる3投手の継投が鍵となる。準々決勝・智弁学園戦では、背番号「1」を着ける京本真が先発。左腕の太田虎次朗、サイド右腕の財原光優と3イニングずつを投じ、的を絞らせなかった。クリーンアップを打つことも多い黒木日向は打率.583、先頭打者本塁打も放った主将の幸修也は打率.333など、主軸が軒並み好調を維持している。
中京大中京の速球派右腕・畔柳亨丞には、球数制限の問題が浮上している。準々決勝終了時点での球数は、379球。試合日程の関係で、全3試合の球数が合算されており、準決勝で投げられるのは、121球まで。登板が予想される松田新叶、柴田青の両投手の出来が、試合を大きく左右するだろう。打線は、2番の杉浦泰文、女房役で6番を打つ加藤優翔が打撃好調。切り込み隊長の役割を担う1番・細江泰斗の復調も好材料だ。