【高校野球】大選手、名監督……清宮幸太郎は早実の歴史に名前を刻むことができるか
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、第1回選手権大会から出場している早稲田実業についてだ。
2015/08/12
早稲田実業の歴史に新たな名前を刻めるか
そして2006年、斎藤佑樹の力投は記憶に新しい。斎藤は春と夏に2度、延長引分再試合で勝利している。夏の甲子園での投球数948球は、大会史上1位とされる。
早稲田実業出身のプロ野球選手は42人に上る。主要な選手をリストアップした。
第1回の岡田源三郎以来、そうそうたる顔ぶれだ。中には太田健一のように戦死した選手もいる。戦後、早稲田実業からは強打者が数多く出たが、これは荒川博の功績が大きい。王、榎本という大打者を育てた。養子の荒川堯は「右の王」と期待されたが、暴漢に襲われ目を負傷。大成しなかった。
ヤクルトの名捕手、監督も務めた大矢明彦、近鉄の名遊撃手石渡茂、中日のユーティリティ選手田野倉利行など、甲子園には縁がなかった名選手もいる。
早稲田実業のベスト9を組んでみた。
投手は荒木大輔、斎藤佑樹といいたいところだが、実績でいえば石井になる。荒木は抑えに回ってもらう。捕手も大矢と、毎日の正捕手醍醐が重なるが、わずかに成績が良い大矢。世界の王貞治は外せない。同じ一塁手の榎本喜八は、少しだけ外野を守ったことがあるので左翼に。田野倉、石渡の二遊間は安定感抜群。三塁は、長嶋茂雄と大学、プロを通じてのライバルだった徳武。外野は榎本に加え、川又、荒川博と勝負強い顔ぶれになった。
清宮幸太郎は、この顔ぶれに割って入るような名選手に成長するだろうか。ひょっとすると今は目立たないチームメイトが、大選手になっているかもしれない。
今夏は過去に例を見ない猛暑だ。早稲田実業が広島新庄と対戦する13日は、猛暑日にはならないとされるが、とにかく健康に気を付けて頑張ってほしい。