1試合平均得点10点弱 極端な「打高投低」だった、夏の甲子園【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、データから夏の甲子園を振り返りたい。
2015/08/22
ベスト4進出のチーム打率はすべて3割超え
86万2000人もの観客を動員した第97回全国高等学校野球選手権大会が終わった。
清宮幸太郎、オコエ瑠偉など注目選手も多かったが、最後は東海大相模と仙台育英、ともに名門校の対決になった。
今年の夏の大会は大量点で追いついたり、逆転劇なども含め終盤までもつれる試合が多く、点の取り合いだった印象がある。
過去5年の春、夏の甲子園の総得点数の推移を調べてみた。
ここ数年は打高投低が顕著だ。
総得点は大会すべての試合の合計値。2011年から夏の甲子園は、8点台の試合が続き、今年は9.71と10点弱に跳ね上がった。
2ケタ得点試合は開幕試合の鹿児島実-北海の18-4を筆頭に、決勝の東海大相模-仙台育英の10-6まで9試合。打撃戦が多かった。
内訳を見ると今年は、かつて清原和博や中田翔など一部の有力選手が打棒をふるったのではなく、多くの選手が安打を量産している点が特徴的だ。(大会総本塁打数は32本。2006年夏は60本塁打だった)。
優勝した東海大相模のチーム打率は.370(181打数67安打)、仙台育英は.329(219打数72安打)、早稲田実は.347(170打数59安打)、関東一は.300(130打数39安打)。準決勝に進出した、4チームの打率はすべて3割を超えていた。