プロスカウトの評価は? ドラフト候補・小笠原、オコエら「大物少なくも、潜在能力の高い選手多し」
第97回全国高校野球選手権大会は、東海大相模の45年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。その甲子園で、スカウトから注目を集めた選手は――。
2015/08/22
好素材の投手がそろった今大会
夏の甲子園が幕を閉じた。東海大相模と仙台育英の優勝候補同士の決勝戦は最終盤までもつれ、見ごたえがあった。一方で、早実の清宮幸太郎が18U日本代表に選ばれるなど、秋に向けても話題は尽きない。今年の大会の中で、プロ野球ドラフト会議に指名される注目選手はいただろうか。
実は「今年は大物がいない」と言うのがスカウトの評判だった。
大谷(花巻東)や藤浪(大阪桐蔭)、松井(桐光学園)などと比べると何球団も人気が集中するような逸材は少ないようだ。
その中でも投手のナンバーワンは東海大相模の小笠原慎之介だろう。150キロを甲子園で計測した左腕は史上3人目だそうだ。「変化球も文句ない。即戦力でどの球団もほしいはず」とあるスカウトは言う。決勝戦というビックゲームに完投して期待に応えた。
同じく東海大相模の右腕、吉田凌も2回戦の聖光学院戦に先発し8回1/3で被安打6、2失点。準決勝の関東一戦でも7回1失点の投球。変化球の多彩さは示した。
敦賀気比の平沼翔太は春夏連覇を目指したが、花巻東に決め球のスライダーを見極められ、敗退した。ただ、球質の思いストレートは健在、球種も多彩。またバッティングも魅力があって、投手よりも野手での評価が今大会は高くなった。
地方大会で調整不足、不安を残した仙台育英の佐藤世那は甲子園で復活した。自己最速146キロもマークし周囲をホッとさせる内容だった。花巻東、関東一など難敵を突破、決勝でも完投しあと一歩、東北初の大旗に手をかけた。こういう実績が今後、大きいのだ。アーム投げの特徴があるが、伸びしろはありそうだ。
花巻東の高橋樹也は細かい制球力を見せた。「高校生の左腕としては完成度は菊池雄星より上かもしれない」と評価が上がっている。
甲子園で一気に評価を上げたのが秋田商の成田翔。168センチでヤクルトの石川二世と言われるが、1回戦の龍谷戦で16三振を奪った。キレのあるスライダーは高校生での攻略は難しそうだった。
思うような力が発揮できなかったが、霞ケ浦の綾部翔も将来性は豊か。189センチからの角度が魅力。癖がないので体ができれば正攻法の投手になる素材か。専大松戸の原嵩は最速146キロ右腕。打撃も評価されている。