【高校野球】スーパースターの素質 早実・清宮幸太郎、聖地で示した『活性力』
2015年、夏の甲子園は、まず早実・1年生の清宮幸太郎の衝撃的なデビューがあったと野球ファンの脳裏に刻まれたことだろう。
2015/08/24
有言実行の清宮、対戦相手も強く意識
夏の甲子園で旋風を巻き起こしたのは、間違いなく早実(西東京)の怪物1年生・清宮幸太郎だった。チームはベスト4で優勝こそ逃したとはいえ、このWASEDAのユニホームを身にまとったルーキーが常に話題の中心であったことは疑いようのない事実だ。
1年生では史上初の2試合連続本塁打、PL学園の桑田真澄(元巨人、パイレーツ)と並ぶ8打点。5試合すべてでヒットを放ち、19打数9安打の打率.474をマーク。大会前からスポットライトを浴びせられていたにも関わらず、ふたを開けてみれば前評判以上の活躍で聖地を席巻してみせた。重圧など感じることはなかったのかもしれない。
いや、大会期間中に清宮本人がメディアに向けて発した数々の言葉を聞く限り、むしろ注目され続ける状況を楽しんでいたようにも思える。並みの神経の持ち主ではない。
だからこそ、そういう清宮の存在が今大会を活性化させた。
1年生でありながらも図太いメンタルと十分な実力を兼ね備え、いつも自信満々のコメントを連発して「ビッグマウス」とも評されれば、これはもう各メディアの格好のターゲットだ。まるで台風の目のようなルーキースター球児として一挙一動が大きく取り上げられ、連日メディアを賑わせていた。
他校の主力選手、特に他校の2年生や3年生プレーヤーの中には、これだけの脚光を浴びている清宮に対して、嫉妬心やライバル心を持つ者も当然数多くいたはずだ。しかも清宮はまだ1年生。むしろ自然の流れと言える。
実際に各メディアを通じて複数のチームの主力投手たちが今月3日の組み合わせ抽選会の会場で「もし対戦したら清宮をきっちり抑えてみせる」と口を揃え、大砲と目される打者たちからも「自分が打つことで清宮との差を見せ付けたい」「同じ野手として1年生の清宮にだけはとにかく絶対に負けたくない」などという主旨のコメントを見聞きした人は大勢いただろう。