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【高校野球】スーパースターの素質 早実・清宮幸太郎、聖地で示した『活性力』 

2015年、夏の甲子園は、まず早実・1年生の清宮幸太郎の衝撃的なデビューがあったと野球ファンの脳裏に刻まれたことだろう。

2015/08/24

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1年生・清宮という存在が甲子園の空気を変えた

 だが裏を返して冷静に状況を分析すれば、これも清宮の持つ力によるものだ。
 怪物1年生は甲子園という聖地での戦いに一歩足を踏み入れただけで多くの相手選手たちをソノ気にさせ、一気に〝狙われる標的〟となったのである。

 甲子園でデビューを果たす前から他校の主力選手たちをここまで過剰意識させ、これほどのムーブメントを巻き起こした1年生は、まず間違いなく高校野球史上で清宮が初めでであろう。星稜の松井秀喜(元巨人、ヤンキース、エンゼルス、アスレチックス、レイズ)、PL学園の清原和博(元西武、巨人、オリックス)や桑田真澄、大阪桐蔭の中田翔(日本ハム)ら甲子園で球史に名を残した歴代大砲ですら、さすがに聖地初登場を果たす前からここまで多くの相手に警戒されてはいない。

 そういう観点から考えると、すでに清宮には凄まじいほどに周囲を活性化させる力も兼ね備わっていると言える。つまり「活性力」だ。聞き慣れない言葉だと思うが、実は10年ほど前、当時ヤンキースの指揮官を務めていたジョー・トーリ監督が「アクティベーション・エナジー(活性力)」という単語を米メディアの前で用いながら次のように語っていたことがある。

「スーパースターにはアクティベーション・エナジーがある。その存在自体が相手チームからキーパーソンとしてターゲットとされる。そして常に相手から狙われる存在になっても、彼らスーパースターはクリアしてチームを勝利させることができるのだ。だから彼らは緊迫した雰囲気のゲームであっても動じない。スーパースターとは、そういうものだ」

 清宮はまだ16歳。甲子園で「活性力」を示した怪物1年生は着実にスーパースターのステップを踏んでいきそうな気配だ。「第27回18U(18歳以下)W杯」に出場する高校日本代表メンバーにも選出されただけに、次の世界との戦いからも目が離せない。

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