【MLB】「リーグでベストな投手の1人」 代役守護神は失敗も、8回の田澤への信頼は不変
多くの投手が語るようにセットアップとクローザーの間にはマインドセットに大きな違いがあると言われる。ここまでセットアッパーとして活躍してきた田澤が代役守護神として失敗したのもそれが大きい。しかし8回の田澤への信頼は未だ絶大なものだ。
2015/09/04
Getty Images
代役守護神失敗でセットアッパーに復帰
田澤純一の代役クローザーは結果から言えば失敗に終わった。7試合に登板し3SをあげたもののBS(セーブ失敗)も2つととてもクローザーにふさわしい内容とは言えなかった。田澤に限らずセットアッパーとして優れた成績を残していてもクローザーになった途端に安定感を欠いてしまう投手は後を絶たない。米メディア『Providence Journal』は「クローザーには特別なマインドセットが必要なのか?」と題してクローザーとセットアップの違いについて特集している。
投打ともに振るわない今年のレッドソックスで、ここまでセットアッパーとしてチームを支えてきた田澤。今月10日に上原浩治が右手首骨折でDL入りするまでは、49試合に登板し防御率3.19、14Hと昨年より数字を落としたものの、チームのリリーフ投手では上原に次ぐ安定感を誇っていた。
しかし上原の離脱で代役守護神となると苦いピッチングが続く。クローザー初日の8月11日に1点リードの9回から登板するも犠牲フライで同点にされセーブ失敗(チームは延長戦でサヨナラ負け)。その後は2Sを含む3試合連続無失点に抑えたものの、8月23日のロイヤルズ戦では2点リードの9回に登板するも6安打4失点の大炎上で今季6敗目、続くロイヤルズ戦でも3点リードの10回裏に4者連続四球で失点、セーブに失敗したところでクローザーはお役御免。8月31日の試合では元の8回に戻り9回にはジーン・マチが登板した。
代役守護神期間の防御率は8.10という惨状だ。9回に投げることの難しさについて記事中でレッドソックスの投手コーチであるカール・ウィリスは以下のように語っている。
“It’s a tough role to fill. You’re talking about a guy who’s taking the ball with basically the weight of the game on his shoulders,” said Red Sox pitching coach Carl Willis. “The remainder of the team has done their job to put you in a position to win. Now, get us these last three outs.”
「クローザーはとても厳しい仕事だ。彼らは肩に試合の重みを背負ってボールを持っている」とレッドソックスの投手コーチであるカール・ウィリスは語る。「チームの残りのメンバーはクローザーを導くために仕事をしてきた。彼ら全員のために最後の3つのアウトを取らなければならない」
昨年までレッドソックスでプレーし今季はヤンキースでクローザーを務めるアンドリュー・ミラーは「田澤は優れたクローザーだと思う」と語り「どんなリリーバーにも調子の悪い時期はある。田澤はちょうどその時期だったのだろう」とかばった。