数字は日米別が筋が通る――イチロー大記録樹立の裏で起きた、もう一つの記録更新【小宮山悟の眼】
タイ・カッブの数字をイチローが上回り、いよいよメジャー通算3000本安打へ向かって視界が開けた。イチローは確かに全盛期に比べれば衰えたことは否めないが、それでもまだ十分現役として戦える。
2015/09/09
「新人選手」としてMLBに入ったイチロー
8月15日、マイアミ・マーリンズのイチローが、セントルイスのブッシュスタジアムで行われたカージナルス戦で大記録を打ち立てた。第1打席に右前打をマーク。日米通算安打数を4192本とし、メジャーリーグ歴代2位で、球聖と呼ばれたタイ・カッブの通算安打記録を抜いた。
日米のメディアでは、「日米通算」の記録という点で物議を醸しているようだ。
日本プロ野球時代の安打数はカウントすべきではない。
いや、日米通算という注釈がついても、記録として尊重すべきだ。
両方の意見があるようだが、個人的には、「メジャーリーグの成績に限る」という捉え方に一理あると思う。
なぜなら、イチローがメジャーリーグに移籍した01年に、彼はルーキーオブザイヤーのタイトルを受賞しているからだ。
当時「日本での実績を考慮して、新人王の資格はない」と判断されたのなら別だが、新人としてメジャーリーグに入った以上、記録についても日本プロ野球とメジャーリーグを区別すべきだろう。
そう考えるほうが、スッキリするというか、筋が通っていると思う。
ただ、日本プロ野球とメジャーリーグというプロのリーグで、4000本以上の安打を放っていることは紛れもない事実だ。大いに称賛されるべき、大偉業であることだけは間違いない。