【MLB】後遺症・プレースタイル……脳しんとう再発の青木宣親、野球人生に影響も
ジャイアンツ・青木宣親が脳しんとうの再発を訴え、先発出場予定だった5日のロッキーズ戦を回避。診断結果では今季絶望も予想される。名選手の野球人生を脅かした脳しんとう。青木も大きな岐路に立たされる可能性がある。
2015/09/07
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天国から地獄のシーズンに
脳しんとうの後遺症がキャリアに影響した選手は多い。特に昨季から本塁でのクロスプレーを禁止する新ルールが導入されるまでは、激しいクロスプレーにさらされていた捕手が目につく。
ツインズのジョー・マウアーは、相次ぐ脳しんとうの影響を避けるため、医師の助言を受け入れて13年から一塁手にコンバートされた。メジャー歴代最高の捕手の一人に挙げられた名手が、代名詞であるキャッチャーマスクを脱ぎ、ミットを一塁手用に持ち替えた。
レイズのジョン・ジェイソも、昨季限りで捕手としてのキャリアを終えた。今季はDHで36試合に出場し、外野手として6試合。相次ぐ脳しんとうの影響で「もうキャッチャーはできない体になってしまったんだ」とキャンプでは落胆を隠さなかった。
昨年首位打者を獲得し、脳しんとうからの復活をアピールしたロッキーズのジャスティン・モーノーは、5月に守備の際に後遺症を再発。4カ月近く戦線離脱し、メディアでは引退の危機とささやかれている。
6月20日のドジャース戦で死球を受け、右足腓骨骨折で離脱するまで、青木はキャリア最高と言っていいシーズンを送っていた。そこまで67試合で打率.317のハイアベレージを残し、オールスターのファン投票でも出場圏内をキープしていた。
2度の死球で、シーズンの色合いは大きく変わってしまった。原因の一つとして指摘されているのが、ホームベースに覆い被るように近く立つ青木の打撃スタイル。これにより外角球を強く叩くことができていたのだが、当然死球のリスクは高まる。
そしてセカンド・インパクトにつながった外野でのハッスルプレー。仮に再検査の結果問題なく、テストをパスして今季中にグラウンドに戻ってくることができても、こういった青木のプレースタイルが大きな変化を求められる可能性もある。野球選手として、大きな岐路に立たされてもおかしくない。