【MLB】3Aで最多勝も「ここで喜んでいたらそこまでの選手」 村田透、プレーオフで結果を残し再昇格を目指す
6月にMLB先発デビューを果たした村田。マイナーに降格後も3Aで好調を維持。3Aでは最終的に15勝4敗防御率2.90という素晴らしい成績を残した。チームはこのあとにプレーオフに進出、その後はコールアップの可能性もゼロではない。村田の2015年はまだ続く。
2015/09/10
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十分な実戦環境下で、自分のピッチングスタイルを構築
村田にとって、プロ2年目の秋に球団から派遣されたアリゾナ教育リーグで、アメリカ野球の魅力に取りつかれたのが、渡米のきっかけだった。
この時、メジャーのキャンプ施設を目の当たりにし、その進んだ育成システムを肌で感じていたのなら、先見の明があったと言えるだろう。
幾重にも階層化されたMLBのシステムは、NPBと違いトップチームまでの道のりは遠かったが、実戦の機会は十分に与えられた。
リリースは日常茶飯事。
数字を残せないのなら、自分でも納得の上、フィールドを去ることができる。
そういう環境下、村田は日本では得ることのできなかった実戦感覚を養うことができた。マウンドでは成功することよりも失敗のほうがむしろ多かったが、次のチャンスを期待できる分、失敗に対して次にどうすればいいのかという前向きなアプローチはしやすかった。
オフの間も登板機会を求め、パナマ、ベネズエラのウィンターリーグで武者修行し、ここでも年々ステップアップし、調整段階とは言え、現役メジャーリーガーと対戦することによって、メジャー仕様の自分のピッチングスタイルを作り上げていったのだ。
インディアンズから提示されたマイナー契約は6年。村田は、与えられたこの期間で着実にメジャーへの階段を登っていった。
A級で始めたキャリアは、2年目には2Aへ。このシーズンに早くも3Aデビューも果たしている。そして3年目にはA級のマウンドにはもはや立つことはなくなり、メジャー候補生の集まる2Aに定着。昨年は2Aと3Aでローテーションを守った。また、オープン戦ではあるが、「メジャーデビュー」を飾っている。
そして契約最終年を迎えた今年、昨年と同じくメジャーのオープン戦のマウンドに上がった村田は、結果を残すことはできなかった。
それでも、下を向くことはなかった。そこで見つけた課題を修正できれば、十分に通用することを自覚できたからだ。