【MLB】最新技術Statcastで判明した、イチローが今季トップの数字
打球の角度から守備時の走行ルートまですべてをデータ化してしまうMLBの新システムStatcast。この最新技術によって今シーズン、イチローがあるランキングにおいてトップに立っていることがわかった。
2015/09/27
Getty Images
ベースランニングの数字は悪化
今季から本格的な運用が開始されたStatcast。光学カメラとミサイル追尾用のレーダーを使用して試合中にグラウンド上で起こる様々な事象を数値化してしまおうという野心的なMLBのこの最新技術は多くのことを明らかにしてきた。投手の投げた球の回転数、打者からの体感速度、打球のスピードや外野手がフライを追うルートの効率までこのシステムを使えばこれまでにはわからなかった多くのデータが入手できる。
『ESPN』傘下のスポーツサイト『GRANTLAND』は「スタットキャストがベースランニングそしてイチローについて我々に教えてくれること」と題した特集を掲載。Statcastによって明らかになった驚くべきイチローのデータについて取り上げている。
今季は4番手外野手としてスタートしたイチローだったが、怪我人が続出したことにより9月25日現在、外野手としてはチームトップの144試合に出場、MLB最年長のポジションプレイヤーとなっている。そんなイチローだが記事では以下のように評されている。
Ichiro still plays good defense, but he no longer hits for a high average or ranks among the league leaders in baserunning value, which were his only elite offensive contributions.
イチローは未だに良い守備をしているが、高打率を残せる、ベースランニングでリーグトップクラスの成績を記録するといった彼の攻撃面での優れた貢献はもはやなくなっている。
通算498盗塁、今季もここまで41歳にして11盗塁を決めているイチローだが、かつてのスピードは既に失われつつある。
その根拠として記事であげられているのがベースランニングのスピードだ。これは一塁から二塁へ向かう際のスピードをマイル/時で表したもので、イチローの数値は16.65。ほぼリーグの平均にあたる数字で、全盛期からは大きく数値を落としている。
ちなみに最高はロイヤルズのパウロ・オーランドが記録した19.07。以下ケビン・キアマイアー(レイズ)の19.03,ピーター・ボージャス(カージナルス)の18.91が続く。ワースト側にはA-ロッド(13.57)をトップにビクター・マルティネス(13.74)、デビッド・オルティス(13.98)らベテランの大砲がずらりと並ぶ。