【MLB】常識を超えたマーリンズのサプライズ。「投手イチロー」は来季メジャー契約意思の表れ
マーリンズ・イチローの15年目は、意外な形で幕を下ろした。4日の今季最終戦で「投手、イチロー」がコールされたのだ。この意図とは――。
2015/10/06
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摩訶不思議な出来事が続くマーリンズ
「チームに残ってくれたら本当にうれしく思う。守備でも活躍し、打撃でも得点につながる活躍を中盤までみせていた」とメディアを前に、熱く語ったという。
ちょっと常識では考えられない発言だ。
他29球団を見渡しても、今季の数字、来季の年齢を考えて、メジャー契約を提示する球団は皆無に違いない。例え、あと65本でメジャー通算3000安打という金字塔が迫るという「おまけ」が付いていたとしてもだ。
気まぐれで知られるジェフリー・ロリア・オーナーの下、常識外の補強でメジャーシーンを沸かせてきたマーリンズ。
思えば今季も、開幕直後のマイク・レドモンド前監督の解任。その後の、野球はど素人と揶揄されたダン・ジェニングズGMの監督就任。マーセル・オズナのFA取得を遅らせるための、3Aでの飼い殺しなどなど。
9・10月は自己ワーストの月間打率.139まで落ち込みながら、若手育成に踏み切らず、イチローを起用し続けたこともそうだ。
摩訶不思議な出来事が沸いて出るビックリ箱。その締めくくりは「投手イチロー」デビューを上回る、イチローとの残留メジャー契約となりそうだ。
いずれ訪れる3000安打フィーバーに加え、練習姿勢や試合へ臨むスタンスなど、若手しかいない現在のチームにとって、確かにいい手本には違いない。イチロー目当てで、地元紙以外でのメディア露出も間違いなく増えた。
今季のパフォーマンスを振り返れば、マーリンズ以外の球団と契約していれば、メジャー通算3000安打というマイルストーンは霧散していたのかもしれない。米国最南端マイアミ。イチローがたどり着いたラストリゾートに他ならない。