【MLB】イチロー、再契約で開かれた3000安打への道。第4の外野手として険しい残り65本

マーリンズは異例の速さで来季イチローとの契約を発表した。来季達成する可能性が高いMLB通算3000本安打に期待するだけでなく、野球に対する真摯な取り組み、若手への模範的姿勢が評価された恰好だ。

2015/10/08

text By

photo

Getty Images

成績以上の存在感

　投手イチローの衝撃デビューで幕を閉じた今季最終戦から、まだ2日後。そのイチローとの再契約をマーリンズが発表して、再び周囲を驚かせた。

　もはやその存在感はプライスレス、ということなのだろう。

　シーズン終盤には互いにラブコールを送り合い、相思相愛の関係だった両者。デービッド・サムソン球団社長は、会見でレジェンドへのリスペクトを口にした。

「私が球界に身を置いてから、彼ほど興味深く楽しい人物には出会ったことがない。我々にとって、彼を引き留めることが何より重要だった」

　米メディアによると、来季年俸は今年と同じ200万ドル（約2億4000万円）。さらにCBSスポーツのジョン・ヘイマン記者のツイートによると、17年シーズンも同額で契約延長するオプションが設定されているという。

　チームに故障者が続出した今季は153試合に出場しながら、自己最低の91安打、打率.229に終わった。

　地元紙サン・センチネルは「300打数以上の打者で、長打率.279は両リーグでワーストだった」と指摘。メジャーで打者の能力を計る際重視されるOPS（長打率＋出塁率）.561は、A～Gまでの7ランクで分けられるうち、最低ランクのG（OPS.566以下）に沈んだ。

　NBCスポーツは「今季ワーストプレーヤーの一人」と形容し、2010年を最後にOPSはメジャー平均レベルである.700に5年間一度も届いておらず、その間の打率は.268だと伝えている。

1 2