数年後には日本に?西岡や岩村も被害、「殺人スライディング」対策にMLB新ルール作成へ
ポストシーズンでまたもや「殺人スライディング」で重傷者が出た。すでにMLBでは本塁上のクロスプレーを禁ずるため、無用なタックルやブロックを一切禁止にしているが、今後は二塁でのスライディングに対しても、明確なルールが導入される可能性が高い。
2015/10/14
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名選手たちは新ルール導入に反対
その一方で、こうしたプレーがメジャーの醍醐味であると同時に、そのタックルをかいくぐる技術が二遊間には必要とされる、という考え方も根強い。
アストロズで活躍した殿堂入りの名二塁手クレイグ・ビジオは、アットリーのプレーについて「グレーゾーン」としながら、ルール変更については「そうあってはならない」と否定的な意見を強調した。
「本塁上のルールのように変更してほしくない。常に選手が怪我をするようなら変更が必要だが、それも野球のプレーの一部だろう」
故障を防ぐ技術があれば、こうした悲劇は防げるし、自分たちはそうやってプレーしてきたという自負もあるのだろう。
カル・リプケンは「テハダが併殺を狙ったことを重要視すべきでは」と提言した。あのタイミングでは最初から併殺など狙わず、二塁封殺後に走者を交わすことに専念すべきだ、という意見だ。
先人たちの議論は尽きないが、やはり流れは新ルール構築に傾いている。若手が集う13日からのアリゾナ秋季リーグでは、ベースに向かってスライディングしなければならないという規定が設けられるという。
基本的に日本プロ野球のルール変更は、大リーグにならう形が一般的だ。先に例としてあげた、塁上の不要なタックルやブロックを禁止する議論も日本ではようやく始まったばかりだ。
二塁への殺人スライディングに関しては、日本では以前から危険なケースが少ないが、こちらもいずれ導入の是非が数年後には国内でも議論され始めるのだろう。